たまたま今日、Ralph Towner “Solstice” Quartet – Oslo 1975 (Live Jazz Lounge) FM. Live at Munch Museum, Oslo, Norway, February 28, 1975 というのを YouTube で見つけた。これは Ralph Towner (ラルフ・タウナー)のアルバム "Solstice" (1974 年 12 月録音、1975 年 ECM レーベルからリリース)を構成していたメンバーの Jan Garbarek(ヤン・ガルバレク)、Eberhard Weber(エーベルハルト・ヴェーバー)、Jon Christensen (ヨン・クリステンセン)が Ralph と一緒にノルウェ―のオスロのムンク美術館でライヴをしたものを録音したものだ。
1975 年というと個人的に思い出がある。むしろ思い出というより重要な契機と言うようなものだ。当時、私はピアノと歌をやり、キーボードも弾いてバンドをやっていたが、アルバム "Solstice" を初めて聴いたのが確かその年、バンド・メンバーのドラマーの家でだった。いつものように彼はレコードをかけてバンドで聴いていたのだが、アルバム何枚目かで彼が "Solstice" をかけた。それまでジャズは真剣に聴いたことがなく、ましてや ECM レーベルのことも知らなかったのに、突然 "Solsitce" が降り注いだという感じだった。思わずレコード・ジャケットを手に取り、裏面の曲名やらアーティスト名を見た。それが Ralph Towner 以下のメンバー、ECM、そしてジャズとの出会いだった。
それ以来、Towner 並びに ECM のノルウェ―勢とドイツの突出したベーシストはいつも私にとって存在感のあるものとなった。前職で 2000 年のミレニアムを Ralph Towner 日本公演 at TLG で迎えた(9/20 - 23 公演)のも、今思えばその次の契機だった。その頃はまだ独立してコンサート企画制作事業をやっていこうとは思っておらず、サラリーマンとしてできる限りのことをしたまでだった。そして 2003 年に Real & True を始め、多くの ECM アーティスト、ノルウェ―及び各国の優れたジャズ系アーティストの日本公演を行ってきた。
Ralph Towner はじめ "Solstice" のメンバーはそれぞれ大成してジャズの世界では名の知られたアーティストとなった。既に Jon Christensen は他界、Eberhard Weber は病気で演奏できない。Jan Garbarek は健在でコンサートを開いているが、Ralph は故障が増えてきた。
"Solstice" のレコードがなかったら、あの日バンド・メンバーの家でアルバムを聴かなったら、今のような仕事はしていなかったであろう。