2012年 11月 23日
Farmers Market - ライヴを語る (2) |
Real & True Live Series Farmers Market 東京公演は 11/14-15、代官山の「晴れたら空に豆まいて」で行われた。 両日とも大勢のファンの方々が日本中から来場された。その熱気はバンドのメンバーがステージに顔を出した途端、いっきに上がった。大きな期待がかけられているのが手に取るようにわかる。11/14 はサックスの Trifon が楽屋口からステージに上がろうとして、間違ったドアから入るのに気づきやめたところで既に会場は笑いに包まれていた。11/15 は開演前より期待感が沸騰状態にあり、リーダーの Stian 自身ステージに上がった時にびっくりするほどだった。あの瞬間に、その日のライヴの出来が決まったといっても過言ではないだろう。「オーディエンスがいいコンサートを作る」というのは本当の話だ。
Farmers Market の演奏はほとんどマジカルだ。確かに人が楽器を使って演奏しているのだが、バンド全体から出てくる音はとても人間ワザとは思えない。全員での超高速、変拍子があると思えば、その直後寸時のうちにブルガリアン・トラッド・フォークが伝統楽器のアコーデオンとクラリネットのデュオで奏でられる。有名曲のカヴァーをすれば、ふんだんにヒネリを効かせ、Farmers Market でしかなしえない編曲で攻めまくるが、原曲のよさは十分に保っている。ノレそうでノレない Stevie Wonder や、良く知られた歴史的名曲やポップ・ナンバーなどを細かく数珠つなぎにしたメドレー(Stian はステージ上で コンピューターでの"zip" のようなものと言っていた)は決してオリジナルを「茶化している」のではなく、原曲に「最大の敬意を払いつつ、それぞれの核心を料理して真の音楽の楽しさというものを紹介」しているのだ。
音楽とは「音」であり、「楽」でもある。演奏テクニックを尽くしただけでは「凄い」かも知れないが、一般の人に音楽の楽しさというものを十分納得させ得ない。技術は基本で必須だが、そこでとどまってしまっては情けない。技術を極限まで使って、逆に技術の存在すら忘れてしまいそうになるぐらい面白く、楽しい場と時間を、聴いている人と一緒に作り上げる。Farmers Market にはそれができる。 photos 前沢春美 11/15 公演
Farmers Market の演奏はほとんどマジカルだ。確かに人が楽器を使って演奏しているのだが、バンド全体から出てくる音はとても人間ワザとは思えない。全員での超高速、変拍子があると思えば、その直後寸時のうちにブルガリアン・トラッド・フォークが伝統楽器のアコーデオンとクラリネットのデュオで奏でられる。有名曲のカヴァーをすれば、ふんだんにヒネリを効かせ、Farmers Market でしかなしえない編曲で攻めまくるが、原曲のよさは十分に保っている。ノレそうでノレない Stevie Wonder や、良く知られた歴史的名曲やポップ・ナンバーなどを細かく数珠つなぎにしたメドレー(Stian はステージ上で コンピューターでの"zip" のようなものと言っていた)は決してオリジナルを「茶化している」のではなく、原曲に「最大の敬意を払いつつ、それぞれの核心を料理して真の音楽の楽しさというものを紹介」しているのだ。
音楽とは「音」であり、「楽」でもある。演奏テクニックを尽くしただけでは「凄い」かも知れないが、一般の人に音楽の楽しさというものを十分納得させ得ない。技術は基本で必須だが、そこでとどまってしまっては情けない。技術を極限まで使って、逆に技術の存在すら忘れてしまいそうになるぐらい面白く、楽しい場と時間を、聴いている人と一緒に作り上げる。Farmers Market にはそれができる。
by invs
| 2012-11-23 13:22
| Farmers Market