2013年 04月 03日
BaBaZuLa 東京公演 - 感想 |
2/2、青山のライヴハウス「月見ル君想フ」にて行われたBaBaZuLa の公演について書いておく。
トルコの伝統と現代をサイケデリアという色で「つなげ」た上で、そこに音楽以外の主要な要素としてダンスをからませる。楽器的には中近東の伝統楽器とドラムの打ち込みを共存させ、エレクトロ・アコースティックのアンビバレントな音環境を作り出す。リーダーでエレクトリック・サズを弾き歌を歌うOsman Murat Ertel は1960年代に登場し流行ったワウ、ファズ、フィードバックを存分に取り入れ、シャウトも含めヴォイスには多めのリヴァーブをかけている。サイケデリック全盛時代、欧米系バンドが持っていた怪しく猥雑な雰囲気に満ちている。トルコ的フレーズやリズムと打ち込みがなければ、或いは The Doors のアジテーションさえも思い出させる。
Murat のよき相棒、Mehmet Levent Akman はステージ中央に陣取り、手元に打ち込み系のボードを配してはいるものの、 アナログのシンバル音を多彩に散りばめる。時にはステージ前方に出てきて、"Wooden Spoons" でカスタネット的パーカッション・サウンドを披露する。ダンスにとってノリのいい拍子で通すのかと思いきや、Murat のサズとトルコ的変拍子を編み出してくる。ここはさすがにトルコの気分だ。Murat の土着サイケ衣装とあいまって、ステージは酩酊を誘う。
今回急遽参加する形になったパーカッションのÖzgür Çakirlar は、Sting ともステージを共にしたほどの腕の持ち主だ。言葉少なの好人物だが、繰り出してくるトルコのリズムはLevent の打ち込みと、或いは競い或いは相和してBaBaZuLa の根幹にある伝統的リズムの豊饒さを知らしめてくれる。バンドがイスタンブールを発つ直前に一本の電話で呼び出され、雪深い山中の街から特別に雪用の車をアレンジしてもらって飛行場まで駆けつけたという。目まぐるしい移動の後、まったく疲れも見せず素晴らしい演奏を見せてくれた。
BaBaZuLa のヨーロッパ公演などに頻繁に同行しているNourah は今回の日本公演でも華のあるダンスを披露した。曲によっては踊らないものもあったが、ほぼ全編にわたってステージ狭しと時には走るように踊っていた。登場する度に変わる衣装や小物のアレンジもさぞや大変だったと思うが、何と言ってもステージでの美しい踊りがBaBaZuLa の公演を盛り上げた。ステージ最後には、当日公演前にあったベリーダンスのワークショップに参加したダンサー達がNourah と一緒にステージに上がる場面もあり、会場一体感の強いライヴだった。
ダンサーとして数曲参加したBarbee Mako とステージ前後にDJ をしたSalam Unagami の協力もあって超満員となった会場は終始興奮と笑顔に包まれていた。
photos: 前沢春美
トルコの伝統と現代をサイケデリアという色で「つなげ」た上で、そこに音楽以外の主要な要素としてダンスをからませる。楽器的には中近東の伝統楽器とドラムの打ち込みを共存させ、エレクトロ・アコースティックのアンビバレントな音環境を作り出す。リーダーでエレクトリック・サズを弾き歌を歌うOsman Murat Ertel は1960年代に登場し流行ったワウ、ファズ、フィードバックを存分に取り入れ、シャウトも含めヴォイスには多めのリヴァーブをかけている。サイケデリック全盛時代、欧米系バンドが持っていた怪しく猥雑な雰囲気に満ちている。トルコ的フレーズやリズムと打ち込みがなければ、或いは The Doors のアジテーションさえも思い出させる。
Murat のよき相棒、Mehmet Levent Akman はステージ中央に陣取り、手元に打ち込み系のボードを配してはいるものの、 アナログのシンバル音を多彩に散りばめる。時にはステージ前方に出てきて、"Wooden Spoons" でカスタネット的パーカッション・サウンドを披露する。ダンスにとってノリのいい拍子で通すのかと思いきや、Murat のサズとトルコ的変拍子を編み出してくる。ここはさすがにトルコの気分だ。Murat の土着サイケ衣装とあいまって、ステージは酩酊を誘う。
今回急遽参加する形になったパーカッションのÖzgür Çakirlar は、Sting ともステージを共にしたほどの腕の持ち主だ。言葉少なの好人物だが、繰り出してくるトルコのリズムはLevent の打ち込みと、或いは競い或いは相和してBaBaZuLa の根幹にある伝統的リズムの豊饒さを知らしめてくれる。バンドがイスタンブールを発つ直前に一本の電話で呼び出され、雪深い山中の街から特別に雪用の車をアレンジしてもらって飛行場まで駆けつけたという。目まぐるしい移動の後、まったく疲れも見せず素晴らしい演奏を見せてくれた。
BaBaZuLa のヨーロッパ公演などに頻繁に同行しているNourah は今回の日本公演でも華のあるダンスを披露した。曲によっては踊らないものもあったが、ほぼ全編にわたってステージ狭しと時には走るように踊っていた。登場する度に変わる衣装や小物のアレンジもさぞや大変だったと思うが、何と言ってもステージでの美しい踊りがBaBaZuLa の公演を盛り上げた。ステージ最後には、当日公演前にあったベリーダンスのワークショップに参加したダンサー達がNourah と一緒にステージに上がる場面もあり、会場一体感の強いライヴだった。
ダンサーとして数曲参加したBarbee Mako とステージ前後にDJ をしたSalam Unagami の協力もあって超満員となった会場は終始興奮と笑顔に包まれていた。
by invs
| 2013-04-03 11:19
| BaBaZuLa