2015年 01月 17日
Trondheim Jazz Orchestra - 結成15周年記念公演 |
昨夜オスロに入った。大急ぎで市中心部メインストリートにある会場 Victoria Nasjonal Jazzscene に行き、Trondheim Jazz Orchestra(トロンハイム・ジャズ・オーケストラ)の結成15周年記念公演を見た。東京ジャズ・フェスティヴァルにChick Corea とともに出演したことがある大人数のバンドだ。メンバーは一部を除いて、プロジェクト作品ごと、毎年のように交代しているが、大変クオリティーの高い演奏をする。弦楽器、管楽器など多人数構成だが、よくあるビッグバンドなどとはまったくレベルが違う。ヨーロッパ、それもノルウェーらしい高度なアンサンブルに溢れている。
階段状に配置された席がヨーロッパらしいクラシカルなインテリアの中に用意され、会場右手にある長いバーカウンターで買い求めたドリンクを飲みながら大勢のオーディエンスが最高の音環境を楽しんでいる。老若男女、とてもバランスがとれている。熱心な音楽ファンが集う理想的といっていいコンサートだ。
ステージ中央にはドラムセットが二つ、それを囲むように右手最奥が女性ヴォーカル一人、続いて管楽器セクション、中央から左手奥が弦楽器のセクション、ドラムの左横にダブルベース(時には二人)、そして最も左手手前にグランドピアノとエレクトリック・ピアノのセクションが拡がる。中央左手のドラムセットはReal & True Live Series 初期から何回も出演している Håkon Mjåset Johansen(ホーコン・ミョーセット・ヨハンセン、Urban Connection、Steinar Raknes Quartet, Motif, Håvard Stubø Quartet などのメンバー)だ。他にもReal & True Live Series に出演したミュージシャンの顔が見える。昨年4月にChristian Wallumrød Ensemble の一員として来日したトランペットの Eivind Lønning とサックスのEspen Reinertsen、バンドMotif (Real & Trueが初来日公演)をリードするダブルベースのOle Morten Vågan、Steinar Raknes Quartet のメンバーで著名なヴェテラン「ジャズ先生」(Trondheim 音楽院で大勢のミュージシャンを育てる)として知られるサックスのJohn Pål Inderberg がいる。
もとよりTrondheim はジャズの名門教育機関 Trondheim音楽院(現在はNTNU - Norges teknisk-naturvitenskapelige universitet ノルウェー技術科学大学 - に吸収されている)の所在地として知られる。当然ながら、その地の大所帯ジャズバンドには音楽院出身者がいる。レベルが低いわけがない。
昨夜のライヴはまさにジャズ・アンサンブルが最高度に発揮された得も言われぬものだった。ヨーロッパの伝統的クラシックの素養と実験的なジャズのコンセプトと演奏技術、ノルウエーらしいチャレンジ精神に加えてたくさんのユーモアが実際の演奏と演出に取り入れらていた。司会進行役、奇妙な服装を纏った「道化」(John Pål Inderbergも一役買う)、休憩時間前の出演者全員による会場内巡り、休憩後のオーディエンス席に展開してのオフマイクのアンサンブル、アンコール前のステージ上での出演者全員による「ダイ・イン(全員床に伏せる)」など笑いと喝采の渦となる。
良く知られたスタンダードナンバーは、絶妙な編曲により換骨堕胎され、異色の曲へと変貌を遂げる。ヴォーカルがなかったら、同じ曲とはわからなかったに違いない。アグレッシブでアヴァンギャルドな曲も、静かなクラシカルな曲も、どれも寸分違わず完全なまでのヴォリューム・コントロールとタイミングの合わせ方で圧倒的な「音楽」を奏でる。そう、これはジャズとかクラシックとかいうジャンルの例えでは決して表現できない。そこには真の「音楽」、「音楽的環境」がある。
石油生産による高い国力を背景に、文化への厚い投資を継続して行うノルウェーに大いに敬意を表したい。会場にはピアノのChristian Wallumrød、サックスのTore Brunborg(Tord Gustavsen Quartet)、Susanna のバックでも来日したドラム・パーカッションのErland Dahlen、 キーボードのØystein Moen (Jaga Jazzist、Supersilent 他)、11月に来日した Moskus のベースFredrik Luhr Dietrichson などのミュージシャンに混じってノルウェー王国外務省の代表者が来られていたことも付け加えておこう。
Trondheim Jazz Orchestra はノルウェー文化省が資金提供するノルウェー芸術委員会(政府諮問機関)、Trondheim 市及び Sør Trøndelag 郡によりサポートされている。
記念公演ライヴ映像
階段状に配置された席がヨーロッパらしいクラシカルなインテリアの中に用意され、会場右手にある長いバーカウンターで買い求めたドリンクを飲みながら大勢のオーディエンスが最高の音環境を楽しんでいる。老若男女、とてもバランスがとれている。熱心な音楽ファンが集う理想的といっていいコンサートだ。
ステージ中央にはドラムセットが二つ、それを囲むように右手最奥が女性ヴォーカル一人、続いて管楽器セクション、中央から左手奥が弦楽器のセクション、ドラムの左横にダブルベース(時には二人)、そして最も左手手前にグランドピアノとエレクトリック・ピアノのセクションが拡がる。中央左手のドラムセットはReal & True Live Series 初期から何回も出演している Håkon Mjåset Johansen(ホーコン・ミョーセット・ヨハンセン、Urban Connection、Steinar Raknes Quartet, Motif, Håvard Stubø Quartet などのメンバー)だ。他にもReal & True Live Series に出演したミュージシャンの顔が見える。昨年4月にChristian Wallumrød Ensemble の一員として来日したトランペットの Eivind Lønning とサックスのEspen Reinertsen、バンドMotif (Real & Trueが初来日公演)をリードするダブルベースのOle Morten Vågan、Steinar Raknes Quartet のメンバーで著名なヴェテラン「ジャズ先生」(Trondheim 音楽院で大勢のミュージシャンを育てる)として知られるサックスのJohn Pål Inderberg がいる。
もとよりTrondheim はジャズの名門教育機関 Trondheim音楽院(現在はNTNU - Norges teknisk-naturvitenskapelige universitet ノルウェー技術科学大学 - に吸収されている)の所在地として知られる。当然ながら、その地の大所帯ジャズバンドには音楽院出身者がいる。レベルが低いわけがない。
昨夜のライヴはまさにジャズ・アンサンブルが最高度に発揮された得も言われぬものだった。ヨーロッパの伝統的クラシックの素養と実験的なジャズのコンセプトと演奏技術、ノルウエーらしいチャレンジ精神に加えてたくさんのユーモアが実際の演奏と演出に取り入れらていた。司会進行役、奇妙な服装を纏った「道化」(John Pål Inderbergも一役買う)、休憩時間前の出演者全員による会場内巡り、休憩後のオーディエンス席に展開してのオフマイクのアンサンブル、アンコール前のステージ上での出演者全員による「ダイ・イン(全員床に伏せる)」など笑いと喝采の渦となる。
良く知られたスタンダードナンバーは、絶妙な編曲により換骨堕胎され、異色の曲へと変貌を遂げる。ヴォーカルがなかったら、同じ曲とはわからなかったに違いない。アグレッシブでアヴァンギャルドな曲も、静かなクラシカルな曲も、どれも寸分違わず完全なまでのヴォリューム・コントロールとタイミングの合わせ方で圧倒的な「音楽」を奏でる。そう、これはジャズとかクラシックとかいうジャンルの例えでは決して表現できない。そこには真の「音楽」、「音楽的環境」がある。
石油生産による高い国力を背景に、文化への厚い投資を継続して行うノルウェーに大いに敬意を表したい。会場にはピアノのChristian Wallumrød、サックスのTore Brunborg(Tord Gustavsen Quartet)、Susanna のバックでも来日したドラム・パーカッションのErland Dahlen、 キーボードのØystein Moen (Jaga Jazzist、Supersilent 他)、11月に来日した Moskus のベースFredrik Luhr Dietrichson などのミュージシャンに混じってノルウェー王国外務省の代表者が来られていたことも付け加えておこう。
Trondheim Jazz Orchestra はノルウェー文化省が資金提供するノルウェー芸術委員会(政府諮問機関)、Trondheim 市及び Sør Trøndelag 郡によりサポートされている。
記念公演ライヴ映像
by invs
| 2015-01-17 19:09