2017年 06月 18日
本日、Vein の初来日ツアーは三日目、稲毛 Candy |
スイスのピアノ・トリオ Vein の初来日ツアーは三日目に入った。今夜の会場は千葉稲毛の Candy だ。
ツアー詳細
昨夜、横浜 Airegin でのライヴは初日の柏公演に引き続きソリッドなものだった。このトリオの特長の一つにダイナミズムがあるが、それが最初から最後まで途切れることなくオーディエンスを魅了していた。Airegin 公演はツー・セット構成になり、トータルでの演奏時間が長くなったこともあり、より多くの曲が演奏された。
Vein のセットリストは高速ものや変拍子・転調系が曲数では多いが、時折挟まれるスローな曲にも大きな説得力がある。昨日演奏されたMaurice Ravel の曲 "Le Tombeau de Couperin" の一節などは、そのアレンジの見事さと相まって、オーディエンスが終演後「素晴らしい」とバンドに声をかけるぐらいの出来だった。Vein はバーゼルに拠点を置くドイツ系スイスのバンドだが、そこはスイス、フランス系のものも巧みに取り入れている。
更に面白いのは、長年に亘るアメリカ系のジャズ・プレイヤーとの交流により培われたアメリカン・ジャズの経験がいろいろな面に活かされていることだ。ユーモアに満ちたブルース・コード系の曲、ソロが幾つも挿入された徹底的にアメリカン構成の曲、著名アメリカン・ジャズ・ピアニストのソロ曲、George Gershwin 作曲のものまでレパートリーに入っている。ただ、これらは完全にカヴァーの領域を超え、十分なヨーロッパ的解釈と演奏技法によって新しい次元の曲に転換されている。そこが Vein らしい。
ピアノのMichael Arbenz はスイスの Luzern(ルツェルン)応用科学大学ジャズ・フォーク音楽院で教鞭をとる講師でもある。音楽院の同僚には ピアニストの Theirry Lang や Jean Christoph Cholet のバンドで来日したダブルベースのHeiri Känzig がいる。ここにはやはり Real & True Live Series に出演した ECM アーティスト/ヴォーカリストの Susanne Abbuehl (教授)が講師として積極的にミュージシャンの育成にかかわっている。人口が少ないスイスに厚いミュージシャン層があるのは、こういう教育面での人材投入があるのだろう。
一方、安定収入が保証される仕事として教職があれば、プロのミュージシャンがお金のために妥協して不本意な音楽を制作する必要もなくなる。教えながら、リラックスして自分が本当に目指す音楽を創りだせる環境がある。
ツアー詳細
昨夜、横浜 Airegin でのライヴは初日の柏公演に引き続きソリッドなものだった。このトリオの特長の一つにダイナミズムがあるが、それが最初から最後まで途切れることなくオーディエンスを魅了していた。Airegin 公演はツー・セット構成になり、トータルでの演奏時間が長くなったこともあり、より多くの曲が演奏された。
Vein のセットリストは高速ものや変拍子・転調系が曲数では多いが、時折挟まれるスローな曲にも大きな説得力がある。昨日演奏されたMaurice Ravel の曲 "Le Tombeau de Couperin" の一節などは、そのアレンジの見事さと相まって、オーディエンスが終演後「素晴らしい」とバンドに声をかけるぐらいの出来だった。Vein はバーゼルに拠点を置くドイツ系スイスのバンドだが、そこはスイス、フランス系のものも巧みに取り入れている。
更に面白いのは、長年に亘るアメリカ系のジャズ・プレイヤーとの交流により培われたアメリカン・ジャズの経験がいろいろな面に活かされていることだ。ユーモアに満ちたブルース・コード系の曲、ソロが幾つも挿入された徹底的にアメリカン構成の曲、著名アメリカン・ジャズ・ピアニストのソロ曲、George Gershwin 作曲のものまでレパートリーに入っている。ただ、これらは完全にカヴァーの領域を超え、十分なヨーロッパ的解釈と演奏技法によって新しい次元の曲に転換されている。そこが Vein らしい。
ピアノのMichael Arbenz はスイスの Luzern(ルツェルン)応用科学大学ジャズ・フォーク音楽院で教鞭をとる講師でもある。音楽院の同僚には ピアニストの Theirry Lang や Jean Christoph Cholet のバンドで来日したダブルベースのHeiri Känzig がいる。ここにはやはり Real & True Live Series に出演した ECM アーティスト/ヴォーカリストの Susanne Abbuehl (教授)が講師として積極的にミュージシャンの育成にかかわっている。人口が少ないスイスに厚いミュージシャン層があるのは、こういう教育面での人材投入があるのだろう。
一方、安定収入が保証される仕事として教職があれば、プロのミュージシャンがお金のために妥協して不本意な音楽を制作する必要もなくなる。教えながら、リラックスして自分が本当に目指す音楽を創りだせる環境がある。
by invs
| 2017-06-18 13:29
| Vein