2018年 04月 15日
Ikarus 2018 日本ツアー最終日 |
スイスのグループ Ikarus(イカルス)の 日本ツアーは本日最終日を迎えた。
午後すぐに柏の Nardis、夜は横浜の Airegin で公演だ。
Ikarus 来日ツアー詳細
Ikarus 関連 Blog 記事一覧
うまいバンドというのは細部にも神経を使う。これは当たり前のようだが、実際にライヴでいろいろやるのは簡単ではない。
ツイン・ヴォーカルでハーモニーを、それも単純な音程で三度、五度といった「普通の和音」構成のハーモニーではないものを、かなり複雑なポリリズムの上に載せて、かつそのリズムに取り込まれるでもなく、離れ過ぎるのでもなく、臨機応変に合わせて歌うのには徹底した練習が必要だ。Ikarus の女性ヴォーカル Anna Hirsch はバンドの新メンバーとして、これをかなりの短期間で成し遂げねばならなかった。さぞかし大変だったと思う。
「息が合っている」というぐらいで、Anna と一緒に歌う Andreas Lareida のハーモニーや、凝ったリズム上でユニゾンで歌われるスキャットを表現しては失礼にあたる。一人で歌うのも大変なものを二人揃ってライヴで(つまり修正がきかない「本番」)歌う。
屋台骨、ダブルベース奏者の Moには他の楽器や歌がどんどんポリリズムで変化していく中、黙々と基本のリズムと音程をキープする役目がある。更に、ここが Ikarus の特徴でもあるが、彼自身が表のリズムから裏のリズムに移っていって全体構成を変えていくこともある。
ピアノの Lucca は、Ikarus ではメロディー系楽器を弾いてはいるが、バンドの目標が面白いポリリズムの創成にあるため、通常のピアノよりはリズムをより強く表に出すことになる。例えば、左手の変則ベースラインは、拍の表と裏を様々に行き交うダブルベースとのユニゾンにより、曲の骨格をはっきりさせることに使われる。これによって硬質なポリリズム感が生み出される。
細かな部分へのこだわりを発揮させるためには、当然、基本がちゃんとできていなければならない。作曲をしている Ramon Oliveras はメンバーにスコアを渡し、メンバーがそれぞれ徹底的に自分のパートを習得する。全員が集まってリハを重ね、曲を仕上げる。それをライヴで更に磨く。サウンドチェックやコンサート前のリハでアイデアを出したり修正をするのはもちろんのこと、コンサート後にも反省も含めて多種多様な改善策が練られる。Ikarus だけでなく、まっとうなバンドはみなこのプロセスを踏むが、Ikarus を見ていると彼らのこのプロセスへのアプローチは濃厚だ。
午後すぐに柏の Nardis、夜は横浜の Airegin で公演だ。
Ikarus 来日ツアー詳細
Ikarus 関連 Blog 記事一覧
うまいバンドというのは細部にも神経を使う。これは当たり前のようだが、実際にライヴでいろいろやるのは簡単ではない。
ツイン・ヴォーカルでハーモニーを、それも単純な音程で三度、五度といった「普通の和音」構成のハーモニーではないものを、かなり複雑なポリリズムの上に載せて、かつそのリズムに取り込まれるでもなく、離れ過ぎるのでもなく、臨機応変に合わせて歌うのには徹底した練習が必要だ。Ikarus の女性ヴォーカル Anna Hirsch はバンドの新メンバーとして、これをかなりの短期間で成し遂げねばならなかった。さぞかし大変だったと思う。
「息が合っている」というぐらいで、Anna と一緒に歌う Andreas Lareida のハーモニーや、凝ったリズム上でユニゾンで歌われるスキャットを表現しては失礼にあたる。一人で歌うのも大変なものを二人揃ってライヴで(つまり修正がきかない「本番」)歌う。
屋台骨、ダブルベース奏者の Moには他の楽器や歌がどんどんポリリズムで変化していく中、黙々と基本のリズムと音程をキープする役目がある。更に、ここが Ikarus の特徴でもあるが、彼自身が表のリズムから裏のリズムに移っていって全体構成を変えていくこともある。
ピアノの Lucca は、Ikarus ではメロディー系楽器を弾いてはいるが、バンドの目標が面白いポリリズムの創成にあるため、通常のピアノよりはリズムをより強く表に出すことになる。例えば、左手の変則ベースラインは、拍の表と裏を様々に行き交うダブルベースとのユニゾンにより、曲の骨格をはっきりさせることに使われる。これによって硬質なポリリズム感が生み出される。
細かな部分へのこだわりを発揮させるためには、当然、基本がちゃんとできていなければならない。作曲をしている Ramon Oliveras はメンバーにスコアを渡し、メンバーがそれぞれ徹底的に自分のパートを習得する。全員が集まってリハを重ね、曲を仕上げる。それをライヴで更に磨く。サウンドチェックやコンサート前のリハでアイデアを出したり修正をするのはもちろんのこと、コンサート後にも反省も含めて多種多様な改善策が練られる。Ikarus だけでなく、まっとうなバンドはみなこのプロセスを踏むが、Ikarus を見ていると彼らのこのプロセスへのアプローチは濃厚だ。
by invs
| 2018-04-15 11:50
| Ikarus