2009年 10月 29日
Nik Baertsch/Ronin (ニック・ベルチュ/ローニン) + Imre Thormann (イムレ・トルマン)公演 |
Real & True Live Series、2009年最後のライヴはスイスの達人で締めくくる。チューリッヒ出身の Nik Baertsch (ニック・ベルチュ)が率いるグループ Ronin (ローニン)とベルン出身の舞踏家 Imre Thormann (イムレ・トルマン)の11/7-8 公演 (二部構成)、 及び Imre Thormann が Nik Baertsch のピアノ伴奏を得て演目 "Voyager" を踊る 11/9 のパーフォーマンスだ。Imre は全公演に出演するが、11/7-8 と 11/9 では演目が異なる。Ronin は 11/7-8 のみの出演で、今回、日本では初めてのフルバンド (5名+専属エンジニア)公演となる。詳細はこちらになる。 photo:Martin Moell
Nik と Imre はともに日本の文化を深く理解している。特に、日本の精神文化、日本人の考え方について、日本人自身が見過ごしている事柄をよく知っている。従って、彼らが音楽や舞踏の創作に使用する日本的感性や方法論・志向性は、日本趣味のような上滑りなものとは違う。日本のいいところをうまく取り込んでいる。
Nik は本拠地チューリッヒのライヴハウスで毎週月曜日にRonin の定例演奏会を行っている。ヨーロッパのバンドでこのような活動をしているのは他に聞いたことがない。Nik にとっての「道場」なのだろう。Ronin の音楽も微妙に変化を続けながら成長していく「生き物」のようだが、それを実現するには徹頭徹尾ディシプリンが必要だ。ステージ上での磨き上げもさることながら、やはり個々のメンバーの日頃の練習やバンド全体のアンサンブルの修練が大事になってくる[ある曲の一部分、時間で言えばほんの数秒のシンバルの鳴らし方についてNikとKaspar(カスパー、ドラム担当)が数時間議論したりする]。月曜日ごとに道場が開かれて稽古が積まれる。時には、流れ者(ゲスト)が入ってきて音楽バトルが繰り広げられる。質がそうやって担保される。
Imre は日本に長く住んだことがあり、日本語も堪能だ。日本の大学で日本語で講義ができるくらいうまい。日本人特有の表現やニュアンスも理解している。彼が面白いのは、日本から得たものの中から普遍的に重要だと思われるものを、踊りで日本人に再提示しているところだ。肉体の鍛錬の上に成立する踊りが、実はその肉体がことさら際立つことなく、むしろ眼前で「概念的に解消」されることが重要だということを。現在の日本人が、スイス出身のImre から本来あった日本の文化を学んでいる。いつぞや、日本人の体躯でないと舞踏は踊れないなどという、とんでもない戯言を聞いたことがあるが、Imre がステージに登場した途端、それは一笑に付されるのだ。 photo: Otto Muehlethaler
Nik と Imre はともに日本の文化を深く理解している。特に、日本の精神文化、日本人の考え方について、日本人自身が見過ごしている事柄をよく知っている。従って、彼らが音楽や舞踏の創作に使用する日本的感性や方法論・志向性は、日本趣味のような上滑りなものとは違う。日本のいいところをうまく取り込んでいる。
Nik は本拠地チューリッヒのライヴハウスで毎週月曜日にRonin の定例演奏会を行っている。ヨーロッパのバンドでこのような活動をしているのは他に聞いたことがない。Nik にとっての「道場」なのだろう。Ronin の音楽も微妙に変化を続けながら成長していく「生き物」のようだが、それを実現するには徹頭徹尾ディシプリンが必要だ。ステージ上での磨き上げもさることながら、やはり個々のメンバーの日頃の練習やバンド全体のアンサンブルの修練が大事になってくる[ある曲の一部分、時間で言えばほんの数秒のシンバルの鳴らし方についてNikとKaspar(カスパー、ドラム担当)が数時間議論したりする]。月曜日ごとに道場が開かれて稽古が積まれる。時には、流れ者(ゲスト)が入ってきて音楽バトルが繰り広げられる。質がそうやって担保される。
Imre は日本に長く住んだことがあり、日本語も堪能だ。日本の大学で日本語で講義ができるくらいうまい。日本人特有の表現やニュアンスも理解している。彼が面白いのは、日本から得たものの中から普遍的に重要だと思われるものを、踊りで日本人に再提示しているところだ。肉体の鍛錬の上に成立する踊りが、実はその肉体がことさら際立つことなく、むしろ眼前で「概念的に解消」されることが重要だということを。現在の日本人が、スイス出身のImre から本来あった日本の文化を学んでいる。いつぞや、日本人の体躯でないと舞踏は踊れないなどという、とんでもない戯言を聞いたことがあるが、Imre がステージに登場した途端、それは一笑に付されるのだ。
by invs
| 2009-10-29 10:29
| Nik Baertsch's Ronin