2010年 06月 14日
Patrick Moraz (パトリック・モラーツ) |
Patrick Moraz (パトリック・モラーツ)のアルバム "esp" を聴いた。esp とは よく "extrasensory perception" (超感覚的知覚)という意味で使われるが、ここでは Etudes, Sonatas, Preludes の略称らしい。実際、収録されている曲名は全てそのどれかであることを示している。つまり体裁はクラシックなのだ。中身も大部分はそう聴こえるが、そうでないところもある。ルーツはクラシックだが、ロックバンドで活躍し、ソロとなってからもロックの影響はあった。ピアノ・ソロの「クラシック」アルバムであっても、完全にはそうならないところが彼らしい。 Patrick Moraz を聴くのは久しぶりだった。それもピアノ・ソロの「クラシック」を聴いたこともあり、新鮮な感じを受けた。ロック時代の、ソロになってからのリズム満載ラテン的なノリとフレーズが印象深かっただけに、クラシック形式の曲に彼の別の面が見える。このアルバムだけが彼がリリースしたクラシック・アルバムというわけではないが、クラシカルな演奏が超感覚的知覚に訴えているようだ。アルバムが「父親の記憶」に捧げられているのと無縁ではあるまい。esp (Etudes, Sonatas, Preludes)によって esp (超感覚的知覚)を呼び覚ましている。
by invs
| 2010-06-14 12:33