2011年 09月 29日
Picidae (ピッキデー) と King Crimson |

それというのも、Sigrun(通称 Tara)は King Crimson がバンドとして存在しなかったら多分この世に生まれていないからだ。Tara の父親はノルウエー人のミュージシャン、母親はスコットランド系アメリカ人でやはり音楽をよくする人だ。両親が出会った所は地中海に浮かぶスペイン領の島 Formentera (フォルメンテーラ)で、ここは King Crimson の曲 "Formentera Lady" (歌詞)の Formentera にあたる。なぜ、この島で出会ったかというと、父親が King Crimson のファンだったからだ。
"Formentera Lady"の歌詞には "spanish lizards"(スペイン・トカゲ)とか "a pale shore-line"(淡い色をした海岸)、"sun shine"(太陽の光)、"dragon fig tree"(大きなイチジクの木)などの言葉が使われていて、南の島の様子を彷彿とさせる。歌詞を書いた Peter Sinfield(ピーター・シンフィールド)のオフィシャル・ページによると、こういう言葉の裏にはいろいろ別の意味が隠されていることがわかるが、南の島の姿を借りてメッセージを発しようとしていることに違いはない。
Tara が育った家ではKing Crimson や Van der Graaf Generator などがよくかかっていたという。だからといって Picidae がそれらに似ているわけではない。根底に共通するものはあるのだが、一聴すると反対のようにも思える。ただ、そういった音楽を消化して自分たちの新しい音楽を作ってきたということはPicidae の曲を聴けばわかる。基礎がしっかりしていて、無駄がなく、シンプルで、矛盾するようなものいいだが、実に控えめながら雄弁だ。
自然の雰囲気を大切にした、静かだが芯のある、哀愁に満ちた音楽が心にしみいってくる。それが Picidae(「きつつき」)だ 。
Picidae 曲 試聴

by invs
| 2011-09-29 22:52
| Picidae