2011年 10月 20日
The Core featuring Jonas Kullhammar (ザ・コア フィーチャリング ヨナス・クルハマー) 10/19 東京公演 |
昨夜、新宿 Pit Inn にて、The Core featuring Jonas Kullhammar(ザ・コア フィーチャリング ヨナス・クルハマー)日本公演の幕が切って落とされた。
類家心平 (trumpet) + 中嶋錠二 (piano)Duo の鋭く、熱いセットに続き、ステージに登場した The Core の面々は前回来日時の黒スーツ姿とはうって変わって、ラフな普段着姿だ。中央にサックスの二人が構える中、右手にドラムの Espen、中央奥にダブルベースの Torbjoern、左にピアノの Erlend という配置は、構図的にも安定感がある。
曲の多くをリーダーの Espen が書いていることもあって、リズムで攻めてくる。彼のドラムワークには独特のものがある。リムショットがとても少ない。2曲目にドラムソロがあったが、ここでもドラムはコロコロと鳴って、普通のジャズのドラムソロとは全く違う。それにライド(シンバル)だ。まさに言葉通り「ライド(ride)」して他の楽器が「乗って」これるシンバルワークが特徴的だ。メンバーのインプロヴィゼーションが連続して展開していく大きな助けになっている。
リズム隊を構成するダブルベースの Torbjoern は二回目の来日だ。今年2月の Real & True Live Series でも感じたが、どちらかといえば、くぐもった、アタック感が少ないプレイを見せるが、高音部での繊細なメロディーのハンドリングはフレット上で的確に行われ、リズム楽器としての役割以上にバンドの立体音の構成に大きく寄与している。
ステージ上で「ピアノ・トリオ登場」と思わせる瞬間を何度も見せたピアノの Erlend は前回来日時の控えめの演奏とは異なり、速弾きのジャズフレーズを幾つも繰り出していた。また、メロディーもさることながら、The Core のリズムの一部を確実に担っていることを証明したバッキング・コードの展開は、彼がバンドの中核を成していることを示していた。
ソプラノとアルト・サックスを吹いていた Joergen はバンド内で最も若いメンバーだが、その落ち着いたステージワークにこれまで以上のキレと鋭さが加わり、メロディー・ラインでは進んで脱構築を試みる場面も増えてきている。隣の Jonas が柔らかい、流れるラインを吹くのに対し、Joergen はトレブルが高く、アタックが強い、はっきりした吹き方で、二人の違いはかなり興味深かった。
今回フィーチャーされた Jonas はこれまで「なぜ来日しない」とずっと言われていたサックス・プレイヤーだ。成田到着後(19日朝到着)、本人も「ようやく日本に来れた」と嬉しそうだった。彼の生音はスケール展開を生かしながらも、時折破れた低音を発するなど面白いダイナミズムに富んでいた。ここのところThe Core のコンスタント・メンバーとなった Joergen がノルウエーの第4世代(?)サックス・プレイヤーとして、バンド内でアグレッシヴな表現を見せている隣で、スウエ―デンの今やヴェテランの部類に入ってきている Jonas がユニゾンで吹いているのはなかなか見応えがあった。こういう組み合わせがいとも簡単にできてしまうところが北欧ジャズの現代性でもある。
バンド・リーダーの Espen は控えめで落ち着いた人物だ。その彼がステージに昇ると、熱い空気がほとばしり出る。彼が内に秘めたエネルギーが The Coreの疾走感をドライヴしている。
写真はすべて 10/20 公演のもの photos: 前沢春美
類家心平 (trumpet) + 中嶋錠二 (piano)Duo の鋭く、熱いセットに続き、ステージに登場した The Core の面々は前回来日時の黒スーツ姿とはうって変わって、ラフな普段着姿だ。中央にサックスの二人が構える中、右手にドラムの Espen、中央奥にダブルベースの Torbjoern、左にピアノの Erlend という配置は、構図的にも安定感がある。





バンド・リーダーの Espen は控えめで落ち着いた人物だ。その彼がステージに昇ると、熱い空気がほとばしり出る。彼が内に秘めたエネルギーが The Coreの疾走感をドライヴしている。

写真はすべて 10/20 公演のもの photos: 前沢春美
by invs
| 2011-10-20 10:52
| The Core