2011年 12月 03日
「北欧ジャズ現在進行形」公演まであと 2週間 |
「北欧ジャズ現在進行形」公演まであと2週間を切った。フィンランドとノルウエーの「今」を代表する二人のミュージシャン、Olavi Louhivuori(オラヴィ・ロウヒヴオリ)とSteinar Raknes(スタイナー・ラクネス)が率いる二組のバンドOddarrang と Steinar Raknes Quartet が来日する。Olavi は現在Tomasz Stanko Quintet やJoona Toivanen Trio (ヨーナ・トイヴァネン・トリオ:澤野工房よりCDリリース)のドラマーとして、そしてSteinar はチック・コリアと演奏しているTrondheim Jazz Orchestra や The Core のベース奏者としても知られている。二人とも現在の北欧ジャズを象徴するようなフロントランナーだ。
「ジャズ」というと日本ではアメリカのブルース系のもの、女性ヴォーカルもの、或いはピアノ・トリオが頭に浮かぶ方が多いが、ヨーロッパでは「ジャズ」という言葉自体の持っている意味合いが異なる。定義は人それぞれだが、クラシック、現代音楽、ワールド・ミュージックやフォーク、ロックなでの要素も取り入れたものが多い。Oddarrang やSteinar Raknes Quartet もジャンルを超えた音楽からいろいろなインスピレーションを得ている。
Oddarrang は「静」だ。チェロというクラシックな楽器にトロンボーンという組み合わせは珍しいが、これがかなり趣のある音風景を生み出している。Olavi がドラムを弾く前にチェロを勉強したこともあって、作曲にクラシックや現代音楽的要素が加わる。全メンバーが椅子に座って弾くというのも、彼らの音楽を表している。
対するSteinar Raknes Quartet は「動」だ。バンド・フォーメーションはジャズで、雰囲気もいわゆる普通の人が想像するジャズに近い。Steinar のダブル・ベース演奏のスタイルがワイルドで「荒ぶる」様が面白い。ここに彼のルーツの一部でもあるアルゼンチンのタンゴやノルウエーのフォークが色彩を加える。普通の「ジャズ」はこのあたりで終わるのだが、彼はその上を行く。実はジョニ・ミッチェルやボブ・ディランの歌などもウッドベースを弾きながら独唱してしまうのだ。
音楽に国境はないとよくいわれる。本当はジャンルもない。人と言葉でコミュニケーションをとる必要上、「しょうがなくて」使っているに過ぎない。それにビジネス的にもマーケティングでジャンルを利用してきたといういきさつがある。本来は「音楽」があって、そこには「作曲家や演奏家のやりたい音楽」があるだけのはずだが、「売れそうな音楽や人にわかりやすい音楽」を目的として音づくりが行われてきたのも事実だ。
OddarrangとSteinar Raknes Quartet は北欧のすばらしい音楽制作環境もあって、「作曲家や演奏家のやりたい音楽」をやっている。それに「ジャズ」という言葉がついているに過ぎない。少々聴き込むというリスナー側の対応が要求されるが、それだけの価値がある音楽だ。
12月16-18日公演、東京新宿の Pit Inn で開催される。詳細はReal & True サイトをご覧いただきたい。
「ジャズ」というと日本ではアメリカのブルース系のもの、女性ヴォーカルもの、或いはピアノ・トリオが頭に浮かぶ方が多いが、ヨーロッパでは「ジャズ」という言葉自体の持っている意味合いが異なる。定義は人それぞれだが、クラシック、現代音楽、ワールド・ミュージックやフォーク、ロックなでの要素も取り入れたものが多い。Oddarrang やSteinar Raknes Quartet もジャンルを超えた音楽からいろいろなインスピレーションを得ている。
Oddarrang は「静」だ。チェロというクラシックな楽器にトロンボーンという組み合わせは珍しいが、これがかなり趣のある音風景を生み出している。Olavi がドラムを弾く前にチェロを勉強したこともあって、作曲にクラシックや現代音楽的要素が加わる。全メンバーが椅子に座って弾くというのも、彼らの音楽を表している。
対するSteinar Raknes Quartet は「動」だ。バンド・フォーメーションはジャズで、雰囲気もいわゆる普通の人が想像するジャズに近い。Steinar のダブル・ベース演奏のスタイルがワイルドで「荒ぶる」様が面白い。ここに彼のルーツの一部でもあるアルゼンチンのタンゴやノルウエーのフォークが色彩を加える。普通の「ジャズ」はこのあたりで終わるのだが、彼はその上を行く。実はジョニ・ミッチェルやボブ・ディランの歌などもウッドベースを弾きながら独唱してしまうのだ。
音楽に国境はないとよくいわれる。本当はジャンルもない。人と言葉でコミュニケーションをとる必要上、「しょうがなくて」使っているに過ぎない。それにビジネス的にもマーケティングでジャンルを利用してきたといういきさつがある。本来は「音楽」があって、そこには「作曲家や演奏家のやりたい音楽」があるだけのはずだが、「売れそうな音楽や人にわかりやすい音楽」を目的として音づくりが行われてきたのも事実だ。
OddarrangとSteinar Raknes Quartet は北欧のすばらしい音楽制作環境もあって、「作曲家や演奏家のやりたい音楽」をやっている。それに「ジャズ」という言葉がついているに過ぎない。少々聴き込むというリスナー側の対応が要求されるが、それだけの価値がある音楽だ。
12月16-18日公演、東京新宿の Pit Inn で開催される。詳細はReal & True サイトをご覧いただきたい。
by invs
| 2011-12-03 12:00