2012年 03月 19日
Peter Hammill 公演 - 感想 |
4日間にわたる Peter Hammill 来日公演は昨夜無事終了した。15日が完全アコースティックだったが、16-17 日の新宿Pit Inn、18日の代官山の「晴れたら空に豆まいて」は通常の形の公演だった。もちろん、「通常」といっても、Peter の場合、いろいろ変化がある。セットリストは公演ごとに変わる。新譜 "Consequences" からの新曲のワールド・プレミアもあった。
16-17 日のライヴはなかなか迫力があった。特に17日は声のとおりが良く、よく練られたセットリストとあいまって随分と楽しませた。"Amnesiac"の力強さについては来日の度に感心するのだが、今回も「キレる」緊張感とどこに行くか分からない「暴れ」が漲っていた。また、"Undone" の熟成した歌詞と歌いっぷりは、やはり年齢を重ねた彼だからこその曲だろう。最後アンコールで演奏された "Ophelia" の浮遊する想いは、この曲が作られた時から何十年も経っているにもかかわらず、まったく色褪せていない。
18日の最終日は "Modern", "Faculty X" といった「決め」の曲が散りばめられたセットリストとなった。アンコールは、Peter によって"super super old" と紹介された "House with No Door" だったが、最終日を飾るにふさわしい名曲といえよう。この曲を聴いて「決められてしまった」ファンも多いはずだ。

ここ数年、Peter の歌詞は昔に比べて言葉数を減らし、一見シンプルだが、その内容はむしろ究極的な方向に向かっているように思う。ある意味「達観」を淡々と綴っているような感じだ。バックの音楽もそれに合わせたかのように変拍子系は減り、一枚一枚音の層を重ねるかのような試みを感じる。
もともと大学を中退する時、「作家になる」と親に嘘をついた Peter だ。現在、本人は詩人ではなくて作詞家・作曲家を自認しているが、深いところに若い頃の気持ちが地下水脈となって流れているのだろう。
photos: 3/18 公演 前沢春美

18日の最終日は "Modern", "Faculty X" といった「決め」の曲が散りばめられたセットリストとなった。アンコールは、Peter によって"super super old" と紹介された "House with No Door" だったが、最終日を飾るにふさわしい名曲といえよう。この曲を聴いて「決められてしまった」ファンも多いはずだ。


もともと大学を中退する時、「作家になる」と親に嘘をついた Peter だ。現在、本人は詩人ではなくて作詞家・作曲家を自認しているが、深いところに若い頃の気持ちが地下水脈となって流れているのだろう。
photos: 3/18 公演 前沢春美
by invs
| 2012-03-19 14:21
| Peter Hammill