2012年 08月 15日
Tord Gustavsen Quartet + Susanna Wallumrød公演 |
Oslo Jazz Festival の二日目(オスロ時間8/14 19:30)はTord Gustavsen Quartet とSusanna Wallumrødの特別公演だった。フェスの目玉公演の一つだ。
Tord のバンドとSusanna が一緒にライヴを行うのはこれが初めてだった。最近 Susanna がスイスのハープ奏者 Giovanna Pessiと公演したが(室内楽 - ECMからアルバム・リリース)、それを聴いた TordがSusanna に依頼して実現した。イスラム教・スーフィの詩を英訳したものにTord がヴォーカルを含めて曲をつけたものだ。
公演はオスロ市内のヤコブ文化教会(正規の教会だったものが 2000年に独立系レーベルKirkelig Kulturverkstedによって買収され、550人収容のコンサート・アート・イヴェント会場となった)で行われた。開場前既に 200人以上が入口に列を作っており、会場は二階席も含めすぐに満席となった。左右にある大型の蝋燭立てにキャンドルが数本づつ置かれ、仄かな光を発するともに、工夫を凝らした照明が教会内とステージを照らし出していた。18メートルの天井高があり、教会らしい音の反響がある。
最初、PAに若干のトラブルがあったが、バンドとSusanna が同時に入場し、コンサートが始まった。ごくごく静かなピアノの音で始まり、しばらくしてSusanna の声が加わる。スーフィの詩ということもあり、クラシカルで宗教的雰囲気が漂う曲想だ。Tord が通常のカルテットなどで演奏するジャズの曲作りとは明らかに違う。Susanna の声も最近のコンサートで見られるへヴィーさは影を潜め、透明感のある高音や、囁きのようなヴォィシングを使った歌い方だ。特に裏声や裏声に近い高音部は教会のリヴァーブ効果ととてもよく調和していた。
曲によってはインストラメンタルで、いつものカルテットのノリで演奏したものもあった(既発表の曲も演奏)が、やはりヴォーカルを意識した控えめのバックが際だっていた。興味深かったのは、Tord 自身がピアノを弾きながら歌を歌った曲が二曲あったことだ。Susanna のバックにハーモニーをつける形だったが、なかなかいい声で歌もうまい。彼がステージで歌うのは初めて見たが、ダブルベースのMats Eilertsen によれば、これまでも時々歌ったことはあったという。
ドラムの Jarle Vespestad(Farmers Market のドラマーでもある)は相変わらず抑制がよくきいていながらも、要所要所では洒落たショットをするどく入れる。Tore BrunborgはTord のピアノの旋律にうまく絡んだり、ソロでインスト的な艶を加えたりと、北欧的サックスを存分に披露していた。9月初めに来日するベースのMats Eilertsen は、今回はいつも以上にソロを見せた上、Susanna のヴォーカルを誘導する新たな曲の導入部を一人で任されたりと予想以上に活躍の場があった。クラシカルな曲でのシンプルなダブルベース(だけの)音ほど聴衆の注意を引くものはないだろう。
一曲の演奏が終わるごとに、長い拍手が続いた。お客さんの年齢は平均 55-60歳を超えているように見受けられた。彼らから見れば「かなり若い」ミュージシャンがステージで演奏しているわけだ。フェスの他の会場でもそうだったが、地元のこういう年齢層がジャズシーンを底堅く固めているのも、ニュージェネレーションのミュージシャンが経済的にも安定して、安心してライヴに臨める環境を作っている大きな要因だろう。
* Mats Eilertsen が撮影した会場の写真数枚(Facebook)
Tord のバンドとSusanna が一緒にライヴを行うのはこれが初めてだった。最近 Susanna がスイスのハープ奏者 Giovanna Pessiと公演したが(室内楽 - ECMからアルバム・リリース)、それを聴いた TordがSusanna に依頼して実現した。イスラム教・スーフィの詩を英訳したものにTord がヴォーカルを含めて曲をつけたものだ。
公演はオスロ市内のヤコブ文化教会(正規の教会だったものが 2000年に独立系レーベルKirkelig Kulturverkstedによって買収され、550人収容のコンサート・アート・イヴェント会場となった)で行われた。開場前既に 200人以上が入口に列を作っており、会場は二階席も含めすぐに満席となった。左右にある大型の蝋燭立てにキャンドルが数本づつ置かれ、仄かな光を発するともに、工夫を凝らした照明が教会内とステージを照らし出していた。18メートルの天井高があり、教会らしい音の反響がある。
最初、PAに若干のトラブルがあったが、バンドとSusanna が同時に入場し、コンサートが始まった。ごくごく静かなピアノの音で始まり、しばらくしてSusanna の声が加わる。スーフィの詩ということもあり、クラシカルで宗教的雰囲気が漂う曲想だ。Tord が通常のカルテットなどで演奏するジャズの曲作りとは明らかに違う。Susanna の声も最近のコンサートで見られるへヴィーさは影を潜め、透明感のある高音や、囁きのようなヴォィシングを使った歌い方だ。特に裏声や裏声に近い高音部は教会のリヴァーブ効果ととてもよく調和していた。
曲によってはインストラメンタルで、いつものカルテットのノリで演奏したものもあった(既発表の曲も演奏)が、やはりヴォーカルを意識した控えめのバックが際だっていた。興味深かったのは、Tord 自身がピアノを弾きながら歌を歌った曲が二曲あったことだ。Susanna のバックにハーモニーをつける形だったが、なかなかいい声で歌もうまい。彼がステージで歌うのは初めて見たが、ダブルベースのMats Eilertsen によれば、これまでも時々歌ったことはあったという。
ドラムの Jarle Vespestad(Farmers Market のドラマーでもある)は相変わらず抑制がよくきいていながらも、要所要所では洒落たショットをするどく入れる。Tore BrunborgはTord のピアノの旋律にうまく絡んだり、ソロでインスト的な艶を加えたりと、北欧的サックスを存分に披露していた。9月初めに来日するベースのMats Eilertsen は、今回はいつも以上にソロを見せた上、Susanna のヴォーカルを誘導する新たな曲の導入部を一人で任されたりと予想以上に活躍の場があった。クラシカルな曲でのシンプルなダブルベース(だけの)音ほど聴衆の注意を引くものはないだろう。
一曲の演奏が終わるごとに、長い拍手が続いた。お客さんの年齢は平均 55-60歳を超えているように見受けられた。彼らから見れば「かなり若い」ミュージシャンがステージで演奏しているわけだ。フェスの他の会場でもそうだったが、地元のこういう年齢層がジャズシーンを底堅く固めているのも、ニュージェネレーションのミュージシャンが経済的にも安定して、安心してライヴに臨める環境を作っている大きな要因だろう。
* Mats Eilertsen が撮影した会場の写真数枚(Facebook)
by invs
| 2012-08-15 23:18
| Tord Gustavsen

