2012年 09月 26日
Ida Elina 東京公演 -感想 |
9/24、Ida Elina 東京公演が代官山の「山羊に、聞く?」にて行われた。当日は、夕刻からの激しい雨にもかかわらず、Ida の友人知人、カンテレ・ファンやワールド・ミュージック・ファン、フィンランド好きの方などにお越しいただいた。
初めての公式な東京公演とあって、Ida は開演前は少しばかり緊張していたが、ひとたび演奏が始まると、エネルギー一杯の歌と演奏を披露した。自作の曲の他に、日本の歌謡をアレンジして取り込んだ歌や、フィンランドの曲などヴァラエティーに富んでいる。スラップ奏法を取り入れたカンテレの演奏、こぶしの効いたゴスペル調の歌や R&B とあいまって、カンテレを使ってはいるが、ギター的なノリが聴こえてくる。スラップ・ギター奏法で有名なフィンランドの Petteri Sariola に習った(カンテレはReal & True Live Series で公演した Eva Alkula や Sinikka Langeland にも習っている)ということもあってロックのドライヴ感があり、普通のカンテレ公演とは全く違う。カンテレの弦をピックアップする手の動きも独特だ。スラッピングは左手で楽器の左サイドと上部左手のミュート部分を、右手で奥(ステージ正面)サイドを叩いていた。音は内臓されているマイクの他に、アタッチメント・マイクを一つと、弦の下に入れた細長いピックアップ・ボードのアタッチメント(エレクトリック・ギターの形に近い)と、三方向からの集音で対応していた。
曲は静かなものもあるが、多くはリズミカルな明るいものだ。本人がクリスチャンで、歌詞は宗教的だ。アンコールの曲は Jesus(キリスト)を讃える歌で、いかにも彼女らしい。曲想や歌詞からはフィンランド的な雰囲気というよりアメリカを感じるが、たとえこぶしを効かせても黒人ゴスペルのようなアクの強さには決してならない。ここがヨーロッパ的でもあり、フィンランド的でもある。むしろ、特徴的なのはカンテレという伝統楽器をギター的に使用しながら、同時に歌うという形態の新しさにある。第一回国際カンテレ・コンペ「その他」部門で優勝というのが頷ける。
琴をギターのように使ってロックを歌う日本人はまだ現れていないように思う。Ida のチャレンジ精神を大いに評価する。公演にはノーベル平和賞授賞式で公演したノルウエーの王道ジャズ・トリオの面々も来ていて熱心に聴いていたが、彼らの評価も「大変素晴らしい。このまま続ければすごくなる。」というものだった。シベリウス音楽院で修士をとったばかりのIda にとって、これは栄誉あるコメントだ。
新人ミュージシャンの門出を祝いたい。
初めての公式な東京公演とあって、Ida は開演前は少しばかり緊張していたが、ひとたび演奏が始まると、エネルギー一杯の歌と演奏を披露した。自作の曲の他に、日本の歌謡をアレンジして取り込んだ歌や、フィンランドの曲などヴァラエティーに富んでいる。スラップ奏法を取り入れたカンテレの演奏、こぶしの効いたゴスペル調の歌や R&B とあいまって、カンテレを使ってはいるが、ギター的なノリが聴こえてくる。スラップ・ギター奏法で有名なフィンランドの Petteri Sariola に習った(カンテレはReal & True Live Series で公演した Eva Alkula や Sinikka Langeland にも習っている)ということもあってロックのドライヴ感があり、普通のカンテレ公演とは全く違う。カンテレの弦をピックアップする手の動きも独特だ。スラッピングは左手で楽器の左サイドと上部左手のミュート部分を、右手で奥(ステージ正面)サイドを叩いていた。音は内臓されているマイクの他に、アタッチメント・マイクを一つと、弦の下に入れた細長いピックアップ・ボードのアタッチメント(エレクトリック・ギターの形に近い)と、三方向からの集音で対応していた。
曲は静かなものもあるが、多くはリズミカルな明るいものだ。本人がクリスチャンで、歌詞は宗教的だ。アンコールの曲は Jesus(キリスト)を讃える歌で、いかにも彼女らしい。曲想や歌詞からはフィンランド的な雰囲気というよりアメリカを感じるが、たとえこぶしを効かせても黒人ゴスペルのようなアクの強さには決してならない。ここがヨーロッパ的でもあり、フィンランド的でもある。むしろ、特徴的なのはカンテレという伝統楽器をギター的に使用しながら、同時に歌うという形態の新しさにある。第一回国際カンテレ・コンペ「その他」部門で優勝というのが頷ける。
琴をギターのように使ってロックを歌う日本人はまだ現れていないように思う。Ida のチャレンジ精神を大いに評価する。公演にはノーベル平和賞授賞式で公演したノルウエーの王道ジャズ・トリオの面々も来ていて熱心に聴いていたが、彼らの評価も「大変素晴らしい。このまま続ければすごくなる。」というものだった。シベリウス音楽院で修士をとったばかりのIda にとって、これは栄誉あるコメントだ。
新人ミュージシャンの門出を祝いたい。
by invs
| 2012-09-26 13:40
| Ida Elina