2013年 04月 17日
Hanne Vatnøy - ライヴ感想 |
2月に開催されたHanne Vatnøy (ハンネ・ヴァットネイ)のライヴについて感想を書いておく。
横浜、東京、上越市、長野・峰の原高原で公演があった。
Hanne 達の到着早々、チェロのAudun Berg Selfjord(アウドゥン・バルグ・セルフィヨール)が病気に罹ってしまい、2日程寝込んで体調管理をしていたが、回復が遅れ、ツアー初日の横浜公演は Hanne とChristine のデュオで行うこととなった。
緊急対応ではあったが、二人は以前にもデュオをしたことがあり、演奏はスムースだった。メインの女性ヴォーカルにハーモニーを付ける場合やはり女性がバックで歌うと親和性が高い。Christine は微妙なフレーズやトーン、サウンドエフェクト的な掛け声も含めて Hanne と息がよく合っている。Hanne のキーボードとChristine のヴァイオリンや様々なパーカッション類との繊細なからみもよく練られている。Hanne の作曲とアレンジの徹底したこだわりがこういうところにも見てとれる。横浜公演はデュオであったがために、かえって微細なアレンジや工夫がよくわかり貴重だった。
ツアー二日目の東京公演からはAudun も復帰し、チェロが作り出す低音部が全体に幅をもたらした。Hanne のアコースティック・バンドは繊細なインタープレイがとてもよくわかるように演奏する。通常のアコースティック・バンドに比べても音量は極めて抑制され、鍵盤の一つ一つ、弦の一本一本まで神経が行き届いている。適当に弾いたのではすぐにボロが出てしまうから、演奏する方も大変だ。プロとしては当然のことだが、繊細さのコントロールは一人のプレイヤーが自分だけを意識してやっていたのではうまくいかない。バンド全体としての統一感をいかに出すかは、どのバンドでも大きな課題だ。うまくいった時にはマジカルと呼んでいいほどの効果を生む。
Audunのチェロとヴァイオリンがユニゾンで弾くか、ハーモニーで展開していくか、それにHanne のキーボードや歌がどうミックスしていくか。譜面に落としただけでは実現しない。ライヴの会場の大きさや部屋の音響の状況、お客さんの数などによっても音は変わる。Hanne のこのバンドで一つ難しいのはChristine が持ってきたloop stationだろう。音をループさせ、また新たな音を加えてミックスし、再生していくものだが、彼女の場合はヴォーカルもloop station を通している。Hanne とのヴォーカルのバランスをとるのに最後のよりどころは自分の耳だ。
楽器的にはChristine の弾くパーカッションとloop station、そしてバック・ヴォーカルがバンド全体に多彩さを加え、メンバー三人の演奏というフィジカルな制約を乗り越えている。バンドの中では彼女が一つの大きな鍵だ。Hanne にとっては頼もしいメンバーということになる。
Hanne の曲はポップではあるが、軽薄さとは無縁だ。だいたい、普段話している内容も結構哲学的な思考を要するものが多い。とても意志が固くはっきりしているところが、音づくりにも出ている。世の中に迎合するポップ・ソングではなく、彼女が考える、こうあるべきという歌を歌う。たとえ、それが「大好きなチョコレートの曲」であっても、作曲・編曲には一ひねりある。
Hanne は時差ボケによる声の不調に悩まされていたが、最後まで全身全霊で歌っていた。やはり熱心に聴いていただいたオーディエンスのおかげだ。オーディエンスの気持ちというのはすぐに伝わる。ステージに出てまだ演奏してもいないのに、「すぐにでも泣きそうだった」というぐらい感激した日もあった。
各地で来場された方々にはこの場をお借りして改めて御礼申し上げる。ライヴはアーティストだけが作るものではない。熱心なオーディエンスは時にアーティストにマジカルな力を発揮させる。それがライヴの醍醐味だ。
横浜、東京、上越市、長野・峰の原高原で公演があった。
Hanne 達の到着早々、チェロのAudun Berg Selfjord(アウドゥン・バルグ・セルフィヨール)が病気に罹ってしまい、2日程寝込んで体調管理をしていたが、回復が遅れ、ツアー初日の横浜公演は Hanne とChristine のデュオで行うこととなった。
緊急対応ではあったが、二人は以前にもデュオをしたことがあり、演奏はスムースだった。メインの女性ヴォーカルにハーモニーを付ける場合やはり女性がバックで歌うと親和性が高い。Christine は微妙なフレーズやトーン、サウンドエフェクト的な掛け声も含めて Hanne と息がよく合っている。Hanne のキーボードとChristine のヴァイオリンや様々なパーカッション類との繊細なからみもよく練られている。Hanne の作曲とアレンジの徹底したこだわりがこういうところにも見てとれる。横浜公演はデュオであったがために、かえって微細なアレンジや工夫がよくわかり貴重だった。
ツアー二日目の東京公演からはAudun も復帰し、チェロが作り出す低音部が全体に幅をもたらした。Hanne のアコースティック・バンドは繊細なインタープレイがとてもよくわかるように演奏する。通常のアコースティック・バンドに比べても音量は極めて抑制され、鍵盤の一つ一つ、弦の一本一本まで神経が行き届いている。適当に弾いたのではすぐにボロが出てしまうから、演奏する方も大変だ。プロとしては当然のことだが、繊細さのコントロールは一人のプレイヤーが自分だけを意識してやっていたのではうまくいかない。バンド全体としての統一感をいかに出すかは、どのバンドでも大きな課題だ。うまくいった時にはマジカルと呼んでいいほどの効果を生む。
Audunのチェロとヴァイオリンがユニゾンで弾くか、ハーモニーで展開していくか、それにHanne のキーボードや歌がどうミックスしていくか。譜面に落としただけでは実現しない。ライヴの会場の大きさや部屋の音響の状況、お客さんの数などによっても音は変わる。Hanne のこのバンドで一つ難しいのはChristine が持ってきたloop stationだろう。音をループさせ、また新たな音を加えてミックスし、再生していくものだが、彼女の場合はヴォーカルもloop station を通している。Hanne とのヴォーカルのバランスをとるのに最後のよりどころは自分の耳だ。
楽器的にはChristine の弾くパーカッションとloop station、そしてバック・ヴォーカルがバンド全体に多彩さを加え、メンバー三人の演奏というフィジカルな制約を乗り越えている。バンドの中では彼女が一つの大きな鍵だ。Hanne にとっては頼もしいメンバーということになる。
Hanne の曲はポップではあるが、軽薄さとは無縁だ。だいたい、普段話している内容も結構哲学的な思考を要するものが多い。とても意志が固くはっきりしているところが、音づくりにも出ている。世の中に迎合するポップ・ソングではなく、彼女が考える、こうあるべきという歌を歌う。たとえ、それが「大好きなチョコレートの曲」であっても、作曲・編曲には一ひねりある。
Hanne は時差ボケによる声の不調に悩まされていたが、最後まで全身全霊で歌っていた。やはり熱心に聴いていただいたオーディエンスのおかげだ。オーディエンスの気持ちというのはすぐに伝わる。ステージに出てまだ演奏してもいないのに、「すぐにでも泣きそうだった」というぐらい感激した日もあった。
各地で来場された方々にはこの場をお借りして改めて御礼申し上げる。ライヴはアーティストだけが作るものではない。熱心なオーディエンスは時にアーティストにマジカルな力を発揮させる。それがライヴの醍醐味だ。
by invs
| 2013-04-17 11:30
| Hanne Vatnøy

