2013年 10月 16日
Helge Lien Solo/Duo 公演感想 |
9/5 に Helge Lien Solo/Duo 公演、9/7 に Helge Lien Trio 公演がPit Inn で行われた。両公演とも「初物」だった。Helge Lien が日本でソロ・デュオ公演を行ったのはこれが初めてだろう。また、ドラマーがPer Oddvar Johansen に入れ替わって本当の意味で最初のトリオ公演が 9/7 だった。こういう初めてのライヴというものは大変興味深い。
まずは9/5 公演の感想を書いておく。
9/5 の公演はPer Oddvar によるドラム・ソロで始まった。素手でフロア・タムの表面をまわしながら撫でる静かなスタートだ。海のさざめきのような音とでも言おうか。続いてマレットを使ってランダムに音を出していく。シンバル・ワークは控えめだ。そうやってしばらくすると、静けさの中に潜行するかの如く別の音が頭をもたげてくる。スネア、シンバル、タムそれぞれの個別の楽器を試すようにゆっくりと攻めていく。ここあたりは音響的アプローチだ。微妙な音の変化を追求している。ドラマーの一人一人の個性はみな違う。Per Oddvarは手数の多さで楽しませるようなドラマーではない。その対照にある。
続いて、Helge Lien のピアノ・ソロだ。ピアノの弦に手を伸ばして直接つま弾く内部奏法でスタートする。足でミュート・ペダルを踏み、弦がじかに発する音に変化をつける。最初から随分と面白い。トリオ演奏では見せないユニークな個性が垣間見える。右手で清らかな音色を鍵盤上で奏でながら左手では「直接弦タッチ」をするというやり方もいい。右手のトリルや連打は Helge Lien の鍛錬の賜物だろう。一音一音が粒だっている。アタックが正確だ。どの音も濁らない。ソロの途中にクラシック調のフレーズを入れたり、変化に富んでいる。演奏技術の高さとテーマの提示の仕方、全体構成などどれをとっても素晴らしい。
そして、Helge と Per Oddvar のデュオとなった。ディ―プなグルーヴ感がある。ピアノの低音部がドライヴする。聴いて、見て、純粋にカッコがいい。ミュートしたピアノの音とシンバルのアンサンブルでは「マット」な音の使い方が秀逸だった。とてもこの日初めて一緒に演奏したとは思えない。インプロの急展開も何のその、全体として物凄いドライヴ感でいっぱいだ。それに一部何とファンク・リズムまで飛出したのには、ニヤッと笑うしかなかった。
曲フォーマットの構成が予め決まっていない中、ここまでデュオで到達するのは並大抵ではない。それも初顔合わせで。
まずは9/5 公演の感想を書いておく。
9/5 の公演はPer Oddvar によるドラム・ソロで始まった。素手でフロア・タムの表面をまわしながら撫でる静かなスタートだ。海のさざめきのような音とでも言おうか。続いてマレットを使ってランダムに音を出していく。シンバル・ワークは控えめだ。そうやってしばらくすると、静けさの中に潜行するかの如く別の音が頭をもたげてくる。スネア、シンバル、タムそれぞれの個別の楽器を試すようにゆっくりと攻めていく。ここあたりは音響的アプローチだ。微妙な音の変化を追求している。ドラマーの一人一人の個性はみな違う。Per Oddvarは手数の多さで楽しませるようなドラマーではない。その対照にある。
続いて、Helge Lien のピアノ・ソロだ。ピアノの弦に手を伸ばして直接つま弾く内部奏法でスタートする。足でミュート・ペダルを踏み、弦がじかに発する音に変化をつける。最初から随分と面白い。トリオ演奏では見せないユニークな個性が垣間見える。右手で清らかな音色を鍵盤上で奏でながら左手では「直接弦タッチ」をするというやり方もいい。右手のトリルや連打は Helge Lien の鍛錬の賜物だろう。一音一音が粒だっている。アタックが正確だ。どの音も濁らない。ソロの途中にクラシック調のフレーズを入れたり、変化に富んでいる。演奏技術の高さとテーマの提示の仕方、全体構成などどれをとっても素晴らしい。
そして、Helge と Per Oddvar のデュオとなった。ディ―プなグルーヴ感がある。ピアノの低音部がドライヴする。聴いて、見て、純粋にカッコがいい。ミュートしたピアノの音とシンバルのアンサンブルでは「マット」な音の使い方が秀逸だった。とてもこの日初めて一緒に演奏したとは思えない。インプロの急展開も何のその、全体として物凄いドライヴ感でいっぱいだ。それに一部何とファンク・リズムまで飛出したのには、ニヤッと笑うしかなかった。
曲フォーマットの構成が予め決まっていない中、ここまでデュオで到達するのは並大抵ではない。それも初顔合わせで。
by invs
| 2013-10-16 10:13
| Helge Lien