2015年 01月 26日
Eberhard Weber 75歳記念+特別賞受賞記念コンサート |
昨夜、ドイツ Stuttgart 市のTheaterhaus Stuttgart(シュツッツガルト劇場)にてベース奏者の Eberhard Weber 75歳記念コンサートが行われ、これを見たので書いておく。
"75 Jahre Eberhard Weber: THE GREAT JUBILEE CONCERT" と銘打った公演は 1/23-24 の二日間開催され、初日には公演とは別にEberhard Weber 誕生+受賞祝賀イヴェントも行われた。Baden-Württemberg 州の特別ジャズ賞がEberhardに授与されている。
公演にはEberhard Weber が一緒に音楽活動をしてきた著名なミュージシャンが出演した。1/24 のステージに登場した順番で言えば、以下のとおり。演奏した楽器も一緒に記載する。
Jan Garbarek ソプラノ・サックス
Gary Burton ヴィブラフォン
Paul McCandless クラリネット
Michael Gibbs 指揮
Danny Gottlieb ドラム
Scott Colley ダブルベース
Pat Methney エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター
Eberhard Weber (ヴィブラフォンを右手で一部演奏)
ステージ上には、SWR (Südwestrundfunk 南西ドイツ放送)Big Band のメンバー席がビッグバンド仕様で右と左に設置されている他、左手にピアノとキーボード、中央左にヴィブラフォンが見える。中央奥にドラムセット、中央に指揮台があり、それ以外にもマイク類や楽器類がいろいろ設置されている。
開演と同時に司会者が登場し、公演について紹介したあと、Eberhard Weber が登場した。会場はスタンディング・オーヴェーションで迎える。右手に杖を持ち、歩きにくそうに出てきて、ステージ右端の椅子に座った。2007年のツアー中に脳卒中で倒れ、それ以来ステージ演奏はしていない。ヘッドセットのマイクを付けて冗談交じりに話をしていたが、左半身以外はまったく問題なさそうだ。話し方はさばさばとクールな感じで、「これはトークショーじゃないんだから」と言って笑わせる。
最初に登場したのはJan Garbarek だった。Weber がマルチ録音した曲が流れ、それにサックスを付けて演奏する。言ってみればカラオケだが、ECM録音で聴いてきたWeber らしい曲だった。数曲演奏し、Weber に挨拶してステージを去った。Garbarek が演奏したのはこの時だけだった。Weberは椅子に座りながら暗がりの中じっと聴いていた。
次にWeber が紹介して、ステージに上がったのはSWR Big Band だ。Weber 曰く、ビッグバンド用に作曲したのは初めてとのこと。管楽器が 14名、エレクトリック・ベース(途中でダブルベースに持ち替え)、エレックトリック・ギター、ドラム、ピアノという編成だ。演奏が始まると、管楽器が多いこともあって Weber のこれまでの曲とは違うような感じがしたが、出ている音は当然ながら、いわゆるアメリカン・ビッグ・バンドではない。特に和音構成や長音の多用などWeber らしいところもある。ただ、全体的には明るいイメージの曲だった。これはその日行われた他の SWR Big Band 演奏でも同じで、長調系の曲作りが全体のトーンだった。ポジティヴに行こうとするWeber の現在の気分を反映しているのかもしれない。SWR Big Band を指揮していたのは、Helge Sundeで彼はノルウェー出身だ。
このSWR Big Band の演奏に加わったのが、Gary Burton だ。Weber 作曲のものを楽譜を見ながら何曲もこなしていく。この日、最も多くステージで演奏をしたのは彼だった。
次に登場したのはPaul McCandlessで、中央右手前、客席に最も近いところでクラリネットを演奏した。最初はSWR Big Band のベースをバックにGary Burton と一緒に演奏し、ときおりソロの掛け合いとなった。多分、もともとの演出ではRalph Towner がこの時点でどこかに加わっていたと思われるが、昨日のサウンドチェック時に気分が悪くなり、緊急入院している。よって残念ながら二日間とも彼は参加しなかった。
しばらくして、今度はイギリスの指揮者でWeber と昔からの付き合いがあるMichael Gibbsが指揮台に立った。Weber らしい、長音を多用した曲で、Gary Burton、Paul McCandless がSWR Big Band とともに演奏する。Gibbs はもう結構な歳だが、しっかりとした指揮だった。彼は一曲だけ指揮してすぐにステージを降り、Helge Sunde がカムバックした。このあたりのWeber の曲もすべて長調が基調で、現在の彼自身のライヴができないという境遇を跳ね返すべく、自分を鼓舞しているような曲調だった。
Burton, McCandless の演奏がひとしきり続いた後、コンサートの第一部が終了、休憩時間に入った。オーディエンスは多分95%以上、地元及び地元周辺のドイツ人で、国外から来ている人たちは、大部分がアーティスト、ECMなどの招待者か関係者であったと思う。年齢層は 50-60代が中心だが、先日ノルウェーで見たJan Garbarek Group 公演の時より若い 30-40代層の人たちもみかけた。会場入口付近では公演のプログラムやEberhard Weber の新CDやWeber の自伝書が発売されていたほか、ECMレーベルのプレス用受付デスクもあり、関係者、招待者で盛況だった。多分 800 -900 名ぐらい入るホールだと思う。コンクリートの建物で内装も最少限度の飾らない会場だった。音響的にはドライな環境で、アンサンブル演奏には難しいホールだったため、ドラムをはじめ、ビッグバンドの編成に多種のソロ楽器を合わせた音には親和性が欠けていたのが残念だった。ともすれば、音量も含めてバラバラになっている印象があったが、これはミュージシャンのせいではないのでしょうがない。
コンサート第二部は、別の司会者の話で始まった。Pat Methney が登場するとアナウンスがあると会場が大いに沸く。年間半分以上の公演数をこなしているから、移動日などを入れるとほとんど毎日演奏旅行をしている形になるという。その忙しい合間を縫ってこのイヴェントに参加してもらえるのは大変なことだという趣旨だった。最初にMethney に問い合わせたところ、*Y * E * S という返事がメールで来て喜んだという話や、Methney がWeber に特別なことをしたいので、過去のWeber のソロ映像をリサーチして送って欲しいというメッセージを受けたことが紹介された。そこで主催者側はあらゆる過去の素材にあたり、Metheny に送ったが、なかなか何が起こるのかわからず、コンサートの直前の水曜日にMethney 自身が持参した大部の作曲スコアを見るまでその内容が知らされなかった。
こういう紹介を経てPat Methney が登場すると会場は割れんばかりの拍手となる。彼がステージ中央右に設定された椅子に座り、用意が整うと、ステージ奥のスクリーンにWeber の過去のソロ・ライヴ映像が映し出されて演奏が始まった。つまりは、Weber のソロを素材にMethney が新たな曲を作ったというわけだ。映像は何種類かのソロ部分のみの演奏で、時代は結構前のもののようだ。Methney がソロの上に新たに音を重ねる形でビッグバンド、Burton, McCandless, Gottlieb, Colley のすべてのパートが作曲されている。実にMethney らしいフレーズ満載の曲作りだ。Weber のよく知られたソロも含まれているが、そのバックで鳴っている新たになった演奏はソロを別の世界のものに仕立て上げる。ソロは単音の部分と、Weber らしいループで重ねた和音系のものと両方ある。映像は悪く言えば継ぎはぎで、同じ個所を何回も繰り返して利用したところもあり、多少無理感があるものの、今となってはライヴに参加できないWeber の目の前で彼がヴィデオでライヴ参加するという離れ業(Beatles の新曲でJohn Lennon の歌を彼の死後発掘して他のメンバーが曲を付け演奏した曲”Free as a Bird”を思い出した)をやってのけたわけだ。ヴィデオとライヴの連携はよく出来ており、数日前にスコアを見て演奏を覚えたとは思えない出来たった。ECMの強者どもがやっているので当たり前と言えば当たり前だが、このあたりは本当にプロだと思う。Colley などはWeber のソロを完全にそのまま映像に合わせてライヴで弾いていた。司会者の説明によると、Methney はスコアを20日間で仕上げたという。終始笑みを絶やさないMethneyだったが、演奏の一部で長いソロをとった時は典型的なMethney 節で、Weber のソロがベースになって曲が作られていたことを考えて苦笑してしまった。軒を貸して母屋を取られるの図のような感じもした。
Methney の大曲が終わると、一斉に拍手となった。ひときわ大きい。彼の人気のほどが窺える。長い拍手が終わると、Weber が話し出した。「座って話しているだけはだめと言われた」とか冗談を言いつつ、立ち上がりBurton の近くまで歩み寄った。ヴィブラフォンのマレットをとってBurton の右側に立った。曲が始まると、右手のみでBurton と一緒にメロディ―ラインを弾きだした。この時点で大きな拍手が起きる。多分、Weber が何かを演奏するとは誰も思っていなかったのではないか。指揮にはGibbs が戻っていて、Burton、McCandless が演奏する。ソロ・パートになると今度はSWR Big Band のサックス奏者が前に出てきたり、先の指揮者Sunde がトロンボーンを吹いたりといろいろ趣向を凝らす。
Weber 作曲の曲をWeberが弾いているというのは、ベースではないにせよ、なかなかいいアイデアだったと思う。彼はこの曲が演奏されている間はずっとBurton の横でマレットを持って叩いていた。曲が終わると一斉に長い拍手となり、Weber はゆっくりとステージ中央に歩いていって全員総出のお辞儀となった。錚々たるミュージシャンが一列に並ぶのはなかなかあることではない。もしかしたらこのメンバーでは二度とないかも知れない。拍手が鳴りやまず、オーディエンスの足鳴らしも加わる。
アンコールだ。曲名はWeber が自ら"Notes of an Evening"と紹介した。それまでのSWR Big Band の管楽器系ビッグバンド的な曲とは異なり、いかにもWeber らしい(つまり彼がECM から過去出していたアルバムに近い)曲だった。これだけは、公演冒頭のGarbarek 演奏の曲を除いて、他の曲と違って陽気な感じではない。むしろ変な言い方になるが、静かで軽めの重厚感とでもいうような雰囲気だ。Burton, McCandless などがメロディーをとる。
アンコールが終わると、大拍手のスタンディング・オーヴェーションとなり、続いて出演者全員がステージに現れた。最初だけ出演してずっと現れていなかったGarbarek もいる。Methney も得意の笑い顔で身のこなしも軽く一緒に並んだ。
こういう公演が実現できるのは素晴らしい。Stuttgart がある州の政治力や文化力も寄与している。当日は、最前列中央に州の代表者が座っていて、司会者からも紹介されていた。ヨーロッパにおける、政治と芸術の関係にはいつも羨ましいものを感じるが、民間資本だけでは到底実現できない文化的に貴重なイヴェントに政治の力は大変重要だ。

公演にはEberhard Weber が一緒に音楽活動をしてきた著名なミュージシャンが出演した。1/24 のステージに登場した順番で言えば、以下のとおり。演奏した楽器も一緒に記載する。
Jan Garbarek ソプラノ・サックス
Gary Burton ヴィブラフォン
Paul McCandless クラリネット
Michael Gibbs 指揮
Danny Gottlieb ドラム
Scott Colley ダブルベース
Pat Methney エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター
Eberhard Weber (ヴィブラフォンを右手で一部演奏)
ステージ上には、SWR (Südwestrundfunk 南西ドイツ放送)Big Band のメンバー席がビッグバンド仕様で右と左に設置されている他、左手にピアノとキーボード、中央左にヴィブラフォンが見える。中央奥にドラムセット、中央に指揮台があり、それ以外にもマイク類や楽器類がいろいろ設置されている。
開演と同時に司会者が登場し、公演について紹介したあと、Eberhard Weber が登場した。会場はスタンディング・オーヴェーションで迎える。右手に杖を持ち、歩きにくそうに出てきて、ステージ右端の椅子に座った。2007年のツアー中に脳卒中で倒れ、それ以来ステージ演奏はしていない。ヘッドセットのマイクを付けて冗談交じりに話をしていたが、左半身以外はまったく問題なさそうだ。話し方はさばさばとクールな感じで、「これはトークショーじゃないんだから」と言って笑わせる。
最初に登場したのはJan Garbarek だった。Weber がマルチ録音した曲が流れ、それにサックスを付けて演奏する。言ってみればカラオケだが、ECM録音で聴いてきたWeber らしい曲だった。数曲演奏し、Weber に挨拶してステージを去った。Garbarek が演奏したのはこの時だけだった。Weberは椅子に座りながら暗がりの中じっと聴いていた。
次にWeber が紹介して、ステージに上がったのはSWR Big Band だ。Weber 曰く、ビッグバンド用に作曲したのは初めてとのこと。管楽器が 14名、エレクトリック・ベース(途中でダブルベースに持ち替え)、エレックトリック・ギター、ドラム、ピアノという編成だ。演奏が始まると、管楽器が多いこともあって Weber のこれまでの曲とは違うような感じがしたが、出ている音は当然ながら、いわゆるアメリカン・ビッグ・バンドではない。特に和音構成や長音の多用などWeber らしいところもある。ただ、全体的には明るいイメージの曲だった。これはその日行われた他の SWR Big Band 演奏でも同じで、長調系の曲作りが全体のトーンだった。ポジティヴに行こうとするWeber の現在の気分を反映しているのかもしれない。SWR Big Band を指揮していたのは、Helge Sundeで彼はノルウェー出身だ。
このSWR Big Band の演奏に加わったのが、Gary Burton だ。Weber 作曲のものを楽譜を見ながら何曲もこなしていく。この日、最も多くステージで演奏をしたのは彼だった。
次に登場したのはPaul McCandlessで、中央右手前、客席に最も近いところでクラリネットを演奏した。最初はSWR Big Band のベースをバックにGary Burton と一緒に演奏し、ときおりソロの掛け合いとなった。多分、もともとの演出ではRalph Towner がこの時点でどこかに加わっていたと思われるが、昨日のサウンドチェック時に気分が悪くなり、緊急入院している。よって残念ながら二日間とも彼は参加しなかった。
しばらくして、今度はイギリスの指揮者でWeber と昔からの付き合いがあるMichael Gibbsが指揮台に立った。Weber らしい、長音を多用した曲で、Gary Burton、Paul McCandless がSWR Big Band とともに演奏する。Gibbs はもう結構な歳だが、しっかりとした指揮だった。彼は一曲だけ指揮してすぐにステージを降り、Helge Sunde がカムバックした。このあたりのWeber の曲もすべて長調が基調で、現在の彼自身のライヴができないという境遇を跳ね返すべく、自分を鼓舞しているような曲調だった。
Burton, McCandless の演奏がひとしきり続いた後、コンサートの第一部が終了、休憩時間に入った。オーディエンスは多分95%以上、地元及び地元周辺のドイツ人で、国外から来ている人たちは、大部分がアーティスト、ECMなどの招待者か関係者であったと思う。年齢層は 50-60代が中心だが、先日ノルウェーで見たJan Garbarek Group 公演の時より若い 30-40代層の人たちもみかけた。会場入口付近では公演のプログラムやEberhard Weber の新CDやWeber の自伝書が発売されていたほか、ECMレーベルのプレス用受付デスクもあり、関係者、招待者で盛況だった。多分 800 -900 名ぐらい入るホールだと思う。コンクリートの建物で内装も最少限度の飾らない会場だった。音響的にはドライな環境で、アンサンブル演奏には難しいホールだったため、ドラムをはじめ、ビッグバンドの編成に多種のソロ楽器を合わせた音には親和性が欠けていたのが残念だった。ともすれば、音量も含めてバラバラになっている印象があったが、これはミュージシャンのせいではないのでしょうがない。
コンサート第二部は、別の司会者の話で始まった。Pat Methney が登場するとアナウンスがあると会場が大いに沸く。年間半分以上の公演数をこなしているから、移動日などを入れるとほとんど毎日演奏旅行をしている形になるという。その忙しい合間を縫ってこのイヴェントに参加してもらえるのは大変なことだという趣旨だった。最初にMethney に問い合わせたところ、*Y * E * S という返事がメールで来て喜んだという話や、Methney がWeber に特別なことをしたいので、過去のWeber のソロ映像をリサーチして送って欲しいというメッセージを受けたことが紹介された。そこで主催者側はあらゆる過去の素材にあたり、Metheny に送ったが、なかなか何が起こるのかわからず、コンサートの直前の水曜日にMethney 自身が持参した大部の作曲スコアを見るまでその内容が知らされなかった。
こういう紹介を経てPat Methney が登場すると会場は割れんばかりの拍手となる。彼がステージ中央右に設定された椅子に座り、用意が整うと、ステージ奥のスクリーンにWeber の過去のソロ・ライヴ映像が映し出されて演奏が始まった。つまりは、Weber のソロを素材にMethney が新たな曲を作ったというわけだ。映像は何種類かのソロ部分のみの演奏で、時代は結構前のもののようだ。Methney がソロの上に新たに音を重ねる形でビッグバンド、Burton, McCandless, Gottlieb, Colley のすべてのパートが作曲されている。実にMethney らしいフレーズ満載の曲作りだ。Weber のよく知られたソロも含まれているが、そのバックで鳴っている新たになった演奏はソロを別の世界のものに仕立て上げる。ソロは単音の部分と、Weber らしいループで重ねた和音系のものと両方ある。映像は悪く言えば継ぎはぎで、同じ個所を何回も繰り返して利用したところもあり、多少無理感があるものの、今となってはライヴに参加できないWeber の目の前で彼がヴィデオでライヴ参加するという離れ業(Beatles の新曲でJohn Lennon の歌を彼の死後発掘して他のメンバーが曲を付け演奏した曲”Free as a Bird”を思い出した)をやってのけたわけだ。ヴィデオとライヴの連携はよく出来ており、数日前にスコアを見て演奏を覚えたとは思えない出来たった。ECMの強者どもがやっているので当たり前と言えば当たり前だが、このあたりは本当にプロだと思う。Colley などはWeber のソロを完全にそのまま映像に合わせてライヴで弾いていた。司会者の説明によると、Methney はスコアを20日間で仕上げたという。終始笑みを絶やさないMethneyだったが、演奏の一部で長いソロをとった時は典型的なMethney 節で、Weber のソロがベースになって曲が作られていたことを考えて苦笑してしまった。軒を貸して母屋を取られるの図のような感じもした。
Methney の大曲が終わると、一斉に拍手となった。ひときわ大きい。彼の人気のほどが窺える。長い拍手が終わると、Weber が話し出した。「座って話しているだけはだめと言われた」とか冗談を言いつつ、立ち上がりBurton の近くまで歩み寄った。ヴィブラフォンのマレットをとってBurton の右側に立った。曲が始まると、右手のみでBurton と一緒にメロディ―ラインを弾きだした。この時点で大きな拍手が起きる。多分、Weber が何かを演奏するとは誰も思っていなかったのではないか。指揮にはGibbs が戻っていて、Burton、McCandless が演奏する。ソロ・パートになると今度はSWR Big Band のサックス奏者が前に出てきたり、先の指揮者Sunde がトロンボーンを吹いたりといろいろ趣向を凝らす。
Weber 作曲の曲をWeberが弾いているというのは、ベースではないにせよ、なかなかいいアイデアだったと思う。彼はこの曲が演奏されている間はずっとBurton の横でマレットを持って叩いていた。曲が終わると一斉に長い拍手となり、Weber はゆっくりとステージ中央に歩いていって全員総出のお辞儀となった。錚々たるミュージシャンが一列に並ぶのはなかなかあることではない。もしかしたらこのメンバーでは二度とないかも知れない。拍手が鳴りやまず、オーディエンスの足鳴らしも加わる。
アンコールだ。曲名はWeber が自ら"Notes of an Evening"と紹介した。それまでのSWR Big Band の管楽器系ビッグバンド的な曲とは異なり、いかにもWeber らしい(つまり彼がECM から過去出していたアルバムに近い)曲だった。これだけは、公演冒頭のGarbarek 演奏の曲を除いて、他の曲と違って陽気な感じではない。むしろ変な言い方になるが、静かで軽めの重厚感とでもいうような雰囲気だ。Burton, McCandless などがメロディーをとる。
アンコールが終わると、大拍手のスタンディング・オーヴェーションとなり、続いて出演者全員がステージに現れた。最初だけ出演してずっと現れていなかったGarbarek もいる。Methney も得意の笑い顔で身のこなしも軽く一緒に並んだ。
こういう公演が実現できるのは素晴らしい。Stuttgart がある州の政治力や文化力も寄与している。当日は、最前列中央に州の代表者が座っていて、司会者からも紹介されていた。ヨーロッパにおける、政治と芸術の関係にはいつも羨ましいものを感じるが、民間資本だけでは到底実現できない文化的に貴重なイヴェントに政治の力は大変重要だ。
by invs
| 2015-01-26 00:06

