2015年 05月 09日
Jan Gunnar Hoff - 2015 ツアー終了、東京公演感想 |
昨夜、ツアー最終日のJan Gunnar Hoff のピアノ・ソロ公演は代官山の「山羊に、聞く?」で行われた。
最終日とあってか、Jan は弾丸で打ちまくる如くピアノを弾いた。メロディーが大事な Jan だが、昨夜はこれに加えてどこかクラシカルな荘厳さを意識したような演奏が会場に響き渡った。コードで言えば、major(長調)系の sus4 の音を使い、その後に揺れ動くmajor 或いは緊張系のジャズ・コードを幾重にも重ねながら最終的に「解決」の和音に持っていく、その過程がこれまでの公演より増えていた。ちょっと間違えば大時代的な、少し古風な演奏スタイルになってしまうギリギリのところで、ジャズ的アプローチを引き入れて平凡さを取り払う。このあたりは Jan の得意技といっていい。
クラシシズム一点張りで、メロディー重視が行き過ぎるとイージー・リスニングになってしまう。かたや、ジャズ・コードの連鎖では彼の持ち味である北欧的な透明感あるメロディー・ラインの影が薄くなる。その二つの極の隙間を縫って演奏する。ジャズ的でありながら、一般人が敬遠しがちな「ジャズの不安」を取り除くと同時に、クラシックの持っている品のよさを残しながら、そこに安住することによって生じる「楽譜をなぞるような演奏」を避ける。その上に、ラテン系では出ない、少し荒削りだが、実直で誠実感のあるロマンティシズムが載っている。
今回のツアーを大変楽しみ、日本が更に好きになった Jan は「来年また来る」と言って会場を後にした。
最終日とあってか、Jan は弾丸で打ちまくる如くピアノを弾いた。メロディーが大事な Jan だが、昨夜はこれに加えてどこかクラシカルな荘厳さを意識したような演奏が会場に響き渡った。コードで言えば、major(長調)系の sus4 の音を使い、その後に揺れ動くmajor 或いは緊張系のジャズ・コードを幾重にも重ねながら最終的に「解決」の和音に持っていく、その過程がこれまでの公演より増えていた。ちょっと間違えば大時代的な、少し古風な演奏スタイルになってしまうギリギリのところで、ジャズ的アプローチを引き入れて平凡さを取り払う。このあたりは Jan の得意技といっていい。
クラシシズム一点張りで、メロディー重視が行き過ぎるとイージー・リスニングになってしまう。かたや、ジャズ・コードの連鎖では彼の持ち味である北欧的な透明感あるメロディー・ラインの影が薄くなる。その二つの極の隙間を縫って演奏する。ジャズ的でありながら、一般人が敬遠しがちな「ジャズの不安」を取り除くと同時に、クラシックの持っている品のよさを残しながら、そこに安住することによって生じる「楽譜をなぞるような演奏」を避ける。その上に、ラテン系では出ない、少し荒削りだが、実直で誠実感のあるロマンティシズムが載っている。
今回のツアーを大変楽しみ、日本が更に好きになった Jan は「来年また来る」と言って会場を後にした。
by invs
| 2015-05-09 18:00
| Jan Gunnar Hoff