2015年 05月 09日
Spalshgirl ツアー二日目 - 代官山公演 |
ノルウェーのバンドSplashgirlのツアー二日目ライヴが昨夜、東京代官山の「山羊に、聞く?」にて行われた。第一部が邦楽奏者の原郷界山(尺八)と久保田晶子(琵琶・歌・声)とのインプロヴィゼーション・セッション、第二部がSplashgirl の単独公演(最後、アンコールでは共演)だった。
この日、原郷界山と久保田晶子はSplashgirl と初顔合わせだったが、セッション冒頭からあっという間にバンドと一緒に独自の世界を創り出して会場を驚かせた。邦楽奏者がヨーロッパのバンドと一緒に演奏するのはよく行われているが、それはしばしば単なる風変りな見世物と化してしまう。音楽を演奏するはずが、楽器がそれぞれバラバラに演奏され、音が飛び交っているだけで、なぜ一緒に演奏しているのかという本義が忘れ去られている。古臭い言い方だが「合奏」というのは「一緒に弾く」だけのことを言うのではない。何か合奏するのであれば、合奏しなかった場合以上の価値を創り出す必要がある。これは言うほど簡単ではない。
昨夜のセッションではまさに、本来的な意味でのインプロヴィゼーションの醍醐味を味わうこととなった。原郷の尺八の和風なメロディーや技法がSplashgirl のバンド全体のバックの中に極上の位置を見出す。久保田の琵琶と声がダブルベースやピアノの音と絶妙な混淆をなし、単独では決して得られない「音楽」が聴こえる。和風のテイストで始まったかと思うといつの間にか西洋的ミニマリズムの中にいたりする。ここではSplashgirl は彼らのアイデンティティの根幹は保ちながらも、決してわがままな自己主張はせず、耳を澄ませて邦楽器が何を欲しているかを瞬時のうちに理解していく。原郷と久保田も完璧なまでに全体の音に注意を払い、「音楽」がどこに向かっているかを把握し、それを自分の演奏に自然にフィードバックしていく。理想的といっても過言ではない、音楽の桃源郷が現れた。ライヴを仕事としてやっている本懐はここにある。
第二部のSplashgirl の単独ライヴが終わると再度、原郷と久保田がステージに上がった。今度は久保田は声のみの参加だ。短いセッションの充実度は言葉にはできない。これを聴かれた当日の来場者の方は幸運だった。Splashgirl のメンバーにして「第二部に行かずに第一部を続けていたかった」と言わしめた、すばらしいセッションだった。
昨夜、会場にお越しいただいた四谷のジャズ喫茶「いーぐる」のオーナーの方がライヴ評を書かれている。大変評価していただいて光栄だ。Splashgirl メンバーにはこのことを直ちに伝えた。
この日、原郷界山と久保田晶子はSplashgirl と初顔合わせだったが、セッション冒頭からあっという間にバンドと一緒に独自の世界を創り出して会場を驚かせた。邦楽奏者がヨーロッパのバンドと一緒に演奏するのはよく行われているが、それはしばしば単なる風変りな見世物と化してしまう。音楽を演奏するはずが、楽器がそれぞれバラバラに演奏され、音が飛び交っているだけで、なぜ一緒に演奏しているのかという本義が忘れ去られている。古臭い言い方だが「合奏」というのは「一緒に弾く」だけのことを言うのではない。何か合奏するのであれば、合奏しなかった場合以上の価値を創り出す必要がある。これは言うほど簡単ではない。
昨夜のセッションではまさに、本来的な意味でのインプロヴィゼーションの醍醐味を味わうこととなった。原郷の尺八の和風なメロディーや技法がSplashgirl のバンド全体のバックの中に極上の位置を見出す。久保田の琵琶と声がダブルベースやピアノの音と絶妙な混淆をなし、単独では決して得られない「音楽」が聴こえる。和風のテイストで始まったかと思うといつの間にか西洋的ミニマリズムの中にいたりする。ここではSplashgirl は彼らのアイデンティティの根幹は保ちながらも、決してわがままな自己主張はせず、耳を澄ませて邦楽器が何を欲しているかを瞬時のうちに理解していく。原郷と久保田も完璧なまでに全体の音に注意を払い、「音楽」がどこに向かっているかを把握し、それを自分の演奏に自然にフィードバックしていく。理想的といっても過言ではない、音楽の桃源郷が現れた。ライヴを仕事としてやっている本懐はここにある。
第二部のSplashgirl の単独ライヴが終わると再度、原郷と久保田がステージに上がった。今度は久保田は声のみの参加だ。短いセッションの充実度は言葉にはできない。これを聴かれた当日の来場者の方は幸運だった。Splashgirl のメンバーにして「第二部に行かずに第一部を続けていたかった」と言わしめた、すばらしいセッションだった。
昨夜、会場にお越しいただいた四谷のジャズ喫茶「いーぐる」のオーナーの方がライヴ評を書かれている。大変評価していただいて光栄だ。Splashgirl メンバーにはこのことを直ちに伝えた。
by invs
| 2015-05-09 18:34
| Splashgirl