2015年 06月 01日
Cholet-Känzig-Papaux Trio 来日ツアー終了 |
Cholet-Känzig-Papaux Trio の来日ツアーの全日程が終了した。
昨夜の横浜 Airegin でのライヴは見事だった。PA なしのアコースティック・セットはこのバンドに最も合っている。楽器を演奏する時の細かなニュアンスにとても神経を使うバンドだからだ。もちろん、アコースティック系のインストルメンタルのみのジャズ・トリオに、そういうバンドは多い。ヴォーカルの力を前面に出せないから、楽器での表現で「見せる」必要がある。
Cholet-Känzig-Papaux Trio のバンドとしての特徴の一つに、ダブルベースがとる主旋律がある。ピアノ・トリオであれば、ピアノがメインテーマを奏でることが多いが、このバンドではピアノと同程度にダブルベースが活躍する。ピアノのCholet はアメリカン・ジャズの影響も見せながら、全体構成はヨーロピアンに寄り、一部フレーズにはフレンチ・ロマンティシズムが漂う。リズムにシンコペーションを活かしたロック的ノリがあって、これが間違えば冗長になりそうな演奏の流れを引き締める。この構造の中で、ヴァーチュオーソとも呼ぶべきダブルベースのKänzig がピアノとのユニゾンやソロで主旋律を弾く。弦楽器特有の、ヴォーカルに勝るとも劣らない感情移入型のフレーズが披露される。時には弓を使って変化を出し、また、しばしば長尺の驚くべきインプロヴィゼーションが繰り出される。これによってCholet の作曲した構造のよさが浮き彫りになる。Känzig とともにリズム・セクションを担う Papaux は、ライド・シンバルによる軽快で端正なムーヴメントと重くならないスネア・ショットを基調とし、バンドを「加速」させる。控えめながらも確実なドラミングはピアノとダブルベースが作る「表の顔」をしっかりと裏で支える。時に、曲の中に取り込まれた形で演奏される彼のソロは、裏ビートを中心として、いろいろな形で組み合わされて出来上がる。持参したパーカッション類はささやかだが、小さいベルを両手で半分覆いながらの演奏や、ドラムスティックの筒型保存容器を敢えてスティックの如く使ってしまうなど、自由でクリエイティヴだ。
また日本に来たいと言い残して去った彼等だったが、来年再度公演が実現するかどうかはわからない。予算面でのハードルはとても高く、毎年の如くスポンサーを獲得するのは容易ではない。当たり前だが、コンサートは本来チケット収入のみで成立するのが健全というものだ。しかし、インストルメンタル・ジャズにおいて、その前提で採算がとれるアーティストはとても少ない。よって、特にヨーロッパでは文化行政、文化育成の観点から政府、自治体、半官半民団体などが助成するシステムがある。幸い、今回の公演はその御蔭で実現した。ここにフランス及びスイス大使館ならびに各国関係団体に御礼申し上げたい。
昨夜の横浜 Airegin でのライヴは見事だった。PA なしのアコースティック・セットはこのバンドに最も合っている。楽器を演奏する時の細かなニュアンスにとても神経を使うバンドだからだ。もちろん、アコースティック系のインストルメンタルのみのジャズ・トリオに、そういうバンドは多い。ヴォーカルの力を前面に出せないから、楽器での表現で「見せる」必要がある。
Cholet-Känzig-Papaux Trio のバンドとしての特徴の一つに、ダブルベースがとる主旋律がある。ピアノ・トリオであれば、ピアノがメインテーマを奏でることが多いが、このバンドではピアノと同程度にダブルベースが活躍する。ピアノのCholet はアメリカン・ジャズの影響も見せながら、全体構成はヨーロピアンに寄り、一部フレーズにはフレンチ・ロマンティシズムが漂う。リズムにシンコペーションを活かしたロック的ノリがあって、これが間違えば冗長になりそうな演奏の流れを引き締める。この構造の中で、ヴァーチュオーソとも呼ぶべきダブルベースのKänzig がピアノとのユニゾンやソロで主旋律を弾く。弦楽器特有の、ヴォーカルに勝るとも劣らない感情移入型のフレーズが披露される。時には弓を使って変化を出し、また、しばしば長尺の驚くべきインプロヴィゼーションが繰り出される。これによってCholet の作曲した構造のよさが浮き彫りになる。Känzig とともにリズム・セクションを担う Papaux は、ライド・シンバルによる軽快で端正なムーヴメントと重くならないスネア・ショットを基調とし、バンドを「加速」させる。控えめながらも確実なドラミングはピアノとダブルベースが作る「表の顔」をしっかりと裏で支える。時に、曲の中に取り込まれた形で演奏される彼のソロは、裏ビートを中心として、いろいろな形で組み合わされて出来上がる。持参したパーカッション類はささやかだが、小さいベルを両手で半分覆いながらの演奏や、ドラムスティックの筒型保存容器を敢えてスティックの如く使ってしまうなど、自由でクリエイティヴだ。
また日本に来たいと言い残して去った彼等だったが、来年再度公演が実現するかどうかはわからない。予算面でのハードルはとても高く、毎年の如くスポンサーを獲得するのは容易ではない。当たり前だが、コンサートは本来チケット収入のみで成立するのが健全というものだ。しかし、インストルメンタル・ジャズにおいて、その前提で採算がとれるアーティストはとても少ない。よって、特にヨーロッパでは文化行政、文化育成の観点から政府、自治体、半官半民団体などが助成するシステムがある。幸い、今回の公演はその御蔭で実現した。ここにフランス及びスイス大使館ならびに各国関係団体に御礼申し上げたい。
by invs
| 2015-06-01 10:20
| Cholet-Känzig-Papaux

