2015年 06月 22日
Maija Kauhanen 公演感想 |
昨日、Maija Kauhanen 公演が代官山の「山羊に、聞く?」にて開催された。アンコールを含む 1 時間以上の熱演(ソロで1時間以上持たせるのは大変)に強い印象を受けた。
右手に持った「爪(ピック)」で弾く 23 弦のサーリヤルヴィ・カンテレはフィンランド中部に特有のもので、演奏された曲にも中部地方のものが多かった。ダンス曲、子守唄、ポルカ(これもダンスに使われる)などと紹介された伝統曲は短めで、どちらかと言えば明るい感じのものだった。レバー操作により転調が容易なクロマティック・カンテレに比べて、曲ごとに調弦が必要なのがかえって新鮮だった。ギターで言えば開放弦的な調弦(オープン・チューニング)によって、カンテレ(特に高音部)をギター・コードのように一斉に鳴らす。これによって音量が得られるとともに、ドライヴ感・グルーヴ感が生まれる。「素朴な」伝統曲が、かつて音響装置などがなかった時代には、実体としては決して「素朴」ではなく、かなりの祝祭的音空間演出に役立っていたことを思い起こさせる。
伝統曲と並びオリジナル曲も演奏された。こちらは、持ち込んだバス・ドラム、シンバル、ベルやパーカッション類とともに、繰り返しを基調とした歌ものだ。彼女の声と歌い方にアニミズム的雰囲気があり、それがバス・ドラムの拍ごとの連打と繰り返しの曲調と相俟ってシャーマン的「チャント」を思わせる。フィンランドのミュージシャンには時折シャーマニズムを感じるのだが、Maija にもそれはあった。左足は裸足で、足首にはアンクレット・シェーカーとなる「実」を巻いている。右足はバス・ドラムのペダルを踏み、両手はカンテレを弾くが、左手は頻繁にシンバルとベルを叩く。カンテレ奏者でここまでマルチにやるミュージシャンは見たことがない。この日は披露しなかったが、彼女はこれに加えてダンスも踊る。本人が意識しているかどうかはわからないが、これもメディシン・マン的チャント行為なのではないか。
持参したカンテレは父親の手製だそうだ。カンテレを置く台も、今回の日本ツアー用に父親にお願いしてごく軽量のものを作ってもらったという。器用なお父さんの本職は警察官だが、Maija のためにもう20 年以上もカンテレを作っている。
「日本でソロ公演ができて本当に嬉しい」とステージで何度も話していた。急遽、企画制作したライヴだったが、いい内容の公演となった。「古代の精神を宿したモダン・マルチ・カンテレ・シンガー」の再来日を期待したい。
右手に持った「爪(ピック)」で弾く 23 弦のサーリヤルヴィ・カンテレはフィンランド中部に特有のもので、演奏された曲にも中部地方のものが多かった。ダンス曲、子守唄、ポルカ(これもダンスに使われる)などと紹介された伝統曲は短めで、どちらかと言えば明るい感じのものだった。レバー操作により転調が容易なクロマティック・カンテレに比べて、曲ごとに調弦が必要なのがかえって新鮮だった。ギターで言えば開放弦的な調弦(オープン・チューニング)によって、カンテレ(特に高音部)をギター・コードのように一斉に鳴らす。これによって音量が得られるとともに、ドライヴ感・グルーヴ感が生まれる。「素朴な」伝統曲が、かつて音響装置などがなかった時代には、実体としては決して「素朴」ではなく、かなりの祝祭的音空間演出に役立っていたことを思い起こさせる。
伝統曲と並びオリジナル曲も演奏された。こちらは、持ち込んだバス・ドラム、シンバル、ベルやパーカッション類とともに、繰り返しを基調とした歌ものだ。彼女の声と歌い方にアニミズム的雰囲気があり、それがバス・ドラムの拍ごとの連打と繰り返しの曲調と相俟ってシャーマン的「チャント」を思わせる。フィンランドのミュージシャンには時折シャーマニズムを感じるのだが、Maija にもそれはあった。左足は裸足で、足首にはアンクレット・シェーカーとなる「実」を巻いている。右足はバス・ドラムのペダルを踏み、両手はカンテレを弾くが、左手は頻繁にシンバルとベルを叩く。カンテレ奏者でここまでマルチにやるミュージシャンは見たことがない。この日は披露しなかったが、彼女はこれに加えてダンスも踊る。本人が意識しているかどうかはわからないが、これもメディシン・マン的チャント行為なのではないか。
持参したカンテレは父親の手製だそうだ。カンテレを置く台も、今回の日本ツアー用に父親にお願いしてごく軽量のものを作ってもらったという。器用なお父さんの本職は警察官だが、Maija のためにもう20 年以上もカンテレを作っている。
「日本でソロ公演ができて本当に嬉しい」とステージで何度も話していた。急遽、企画制作したライヴだったが、いい内容の公演となった。「古代の精神を宿したモダン・マルチ・カンテレ・シンガー」の再来日を期待したい。
by invs
| 2015-06-22 09:57
| Maija Kauhanen