2015年 09月 09日
Norma Winstone - Winstone/Gesing/Venier Trio 公演感想 |
Norma Winstone - Winstone/Gesing/Venier Trio 公演は、9/6 の東京公演をもって終了した。
photo: 前沢春美 - 9/6 Pit Inn 公演
イギリスでのレアな 3 公演(Norma 談)の後に来日、京都で1 公演、東京で 2 公演の短いツアーだったが、とても充実していた。何と言っても、Norma の歌をはじめ、トリオの演奏が素晴らしかった。時差ボケがあったにもかかわらず、芸術的に大変高度だった。楽器の如く音程を操る Norma のヴォイスが特筆に値するだけでなく、Klaus や Glauco とのアンサンブルが通常のジャズ・アンサンブルの域を超えていた。だいたい、ドラムやベースといった典型的なリズム・セクションを欠いているトリオ構成は、リズム・アンサンブルに相当のレベルが要求されるのだが、Norma 達はむしろその欠如を逆に利用し、バンド全体が変貌自在に浮遊し飛翔する。ドラムとベースの「重し」から外れて自由を得ている。
一方、リズム・セクションなしで重厚感をどう出すかという課題がある。ここは Klaus のバスクラリネットの低音部分と Glauco が弾くピアノの低音部の小刻みな動きとの「絡み」に解決策を見出している。特に、高速で演奏される曲では、Norma のロングトーン・ヴォイスとの対比で、より鮮明になる。Klaus のバスクラリネットは低音を出したかと思うと、次には高音に移り、リズムとメロデイーの両方を同時進行で担う。Glauco は左手の「ベース系リズム感」を出す速い動きと、右手の「コード系」連打を合わせ、パーカッシヴなリズムを生む。Norma もスキャット的に歌う場合は特に、ロングトーンを控え、リズムを意識した早いアドリブ・パッセージでこれらとアンサンブルを組む。熟練とはよく言ったものだ。熟れただけではだめだ。それを練って鍛えて、味を出さねばならない。
京都と東京のライヴで演奏された曲とそれらについての個々の感想はまた記事を改めて書く。まずは全体的な印象を記した。

イギリスでのレアな 3 公演(Norma 談)の後に来日、京都で1 公演、東京で 2 公演の短いツアーだったが、とても充実していた。何と言っても、Norma の歌をはじめ、トリオの演奏が素晴らしかった。時差ボケがあったにもかかわらず、芸術的に大変高度だった。楽器の如く音程を操る Norma のヴォイスが特筆に値するだけでなく、Klaus や Glauco とのアンサンブルが通常のジャズ・アンサンブルの域を超えていた。だいたい、ドラムやベースといった典型的なリズム・セクションを欠いているトリオ構成は、リズム・アンサンブルに相当のレベルが要求されるのだが、Norma 達はむしろその欠如を逆に利用し、バンド全体が変貌自在に浮遊し飛翔する。ドラムとベースの「重し」から外れて自由を得ている。
一方、リズム・セクションなしで重厚感をどう出すかという課題がある。ここは Klaus のバスクラリネットの低音部分と Glauco が弾くピアノの低音部の小刻みな動きとの「絡み」に解決策を見出している。特に、高速で演奏される曲では、Norma のロングトーン・ヴォイスとの対比で、より鮮明になる。Klaus のバスクラリネットは低音を出したかと思うと、次には高音に移り、リズムとメロデイーの両方を同時進行で担う。Glauco は左手の「ベース系リズム感」を出す速い動きと、右手の「コード系」連打を合わせ、パーカッシヴなリズムを生む。Norma もスキャット的に歌う場合は特に、ロングトーンを控え、リズムを意識した早いアドリブ・パッセージでこれらとアンサンブルを組む。熟練とはよく言ったものだ。熟れただけではだめだ。それを練って鍛えて、味を出さねばならない。
京都と東京のライヴで演奏された曲とそれらについての個々の感想はまた記事を改めて書く。まずは全体的な印象を記した。
by invs
| 2015-09-09 09:39
| Norma Winstone