2015年 11月 29日
古佐小基史ソロ・ハープ公演 - 感想 |
11/27、経堂のカルラホールにて古佐小基史ソロ・ハープ公演が開催された。
満員の会場で休憩を挟み 90 分の熱演だった。ハープというとクラシック、それもオーケストラの後ろの方で控えめに演奏している姿が浮かぶが、彼の場合はギターにも似た独特の華やかな演奏だ。もともと20 代後半までギタリストだったというから、それも不思議ではないのだが、単にギター奏法を応用しているのではなく、十分消化した上で曲に合わせて、ことによってはハープ七変化の様相を帯びた演奏をする。7 本もある足のペダルを自在に操作して転調しながら、両手は休むことなく動いている。普通ハープでは弾かないブルース系のスケールや、それを可能にするための、ギターで言うチョーキングをあみ出したり、ギターのストロークと同じような右手での「開放弦」的(実際にはギターと違って純粋には開放ではないのだが)響きを出す。正式にはハープを習ったことはなく、独学だということだが、彼の場合はそれが無理なく実に愉快に披露される。ミュージシャンとしてはよくステージで話す方だと思うが、機知にとんだ嫌味のないトークにオーディエンスからは思わず笑いが起こる。そういうリラックスと演奏の緊張感との「合奏」がいい意味でエンターテイニングだ。
どこかアメリカ的なからっとした解放感が漂うのは、そこでの生活がもうだいぶ長くなったからか。或いは持前の積極的な、陽気な性格がそうさせるのか。クラシックの中では閉塞しがちなハープという楽器に新たな可能性をもたらした功績は、そのあたりにルーツがありそうだ。
満員の会場で休憩を挟み 90 分の熱演だった。ハープというとクラシック、それもオーケストラの後ろの方で控えめに演奏している姿が浮かぶが、彼の場合はギターにも似た独特の華やかな演奏だ。もともと20 代後半までギタリストだったというから、それも不思議ではないのだが、単にギター奏法を応用しているのではなく、十分消化した上で曲に合わせて、ことによってはハープ七変化の様相を帯びた演奏をする。7 本もある足のペダルを自在に操作して転調しながら、両手は休むことなく動いている。普通ハープでは弾かないブルース系のスケールや、それを可能にするための、ギターで言うチョーキングをあみ出したり、ギターのストロークと同じような右手での「開放弦」的(実際にはギターと違って純粋には開放ではないのだが)響きを出す。正式にはハープを習ったことはなく、独学だということだが、彼の場合はそれが無理なく実に愉快に披露される。ミュージシャンとしてはよくステージで話す方だと思うが、機知にとんだ嫌味のないトークにオーディエンスからは思わず笑いが起こる。そういうリラックスと演奏の緊張感との「合奏」がいい意味でエンターテイニングだ。
どこかアメリカ的なからっとした解放感が漂うのは、そこでの生活がもうだいぶ長くなったからか。或いは持前の積極的な、陽気な性格がそうさせるのか。クラシックの中では閉塞しがちなハープという楽器に新たな可能性をもたらした功績は、そのあたりにルーツがありそうだ。
by invs
| 2015-11-29 09:56
| 古佐小基史