2016年 03月 05日
田中鮎美トリオ - 本日三日目は上越公演 |
田中鮎美トリオの日本ツアーは今日で三日目だ。これから金沢を出て上越に向かう。今夜の会場は春日山にあるラ・ソネ菓寮になる。今回のツアーでは初めてPA・アンプ類を使わず、完全アコースティックで演奏する。
昨夜の「もっきりや」の公演は有機体としてのバンドが自在に姿かたちを変えながら演奏したライヴだった。京都公演より更に実験的な瞬間が増えたような気がする。全体としては、自然な流れに委ねたスタイルをキープしながらも、ダイナミックな展開がところどころに散りばめられていた。
20世紀型ジャズでは避けられていたロックを想起させるビートの繰り返しや、現代クラシックを彷彿させる不協系コードと変拍子のカップリングも、それらにインスピレーションを受けてはいるものの、一段上のレベルへと昇華させている。例えば、Per Oddvar のライド・シンバルは実際 "ride" 感が強く、定型ビートが心地よいが、その上に「乗っている/ride している」ピアノとベースは従来型の「ノリ」はとらない。曲にもよるが、どこかクラシック系の、高音に向かって展開していく分解コード的フレーズがピアノから出ている間、ダブルベースでは同じループで構成される定型フレーズを繰り返したりする。メンバー間の、よく理解した上での「癒着のなさ・離れ」感が 20世紀型ヨーロピアン・ジャズと境を分かつ一つの特徴のように思う。
さて、先日だいぶ雪が降ったという上越だが、今日はどうだろうか。前回 12月に訪れた時は雷のお出迎えだった。澄んだ空気に北欧の音を響かせたいものだ。
昨夜の「もっきりや」の公演は有機体としてのバンドが自在に姿かたちを変えながら演奏したライヴだった。京都公演より更に実験的な瞬間が増えたような気がする。全体としては、自然な流れに委ねたスタイルをキープしながらも、ダイナミックな展開がところどころに散りばめられていた。
20世紀型ジャズでは避けられていたロックを想起させるビートの繰り返しや、現代クラシックを彷彿させる不協系コードと変拍子のカップリングも、それらにインスピレーションを受けてはいるものの、一段上のレベルへと昇華させている。例えば、Per Oddvar のライド・シンバルは実際 "ride" 感が強く、定型ビートが心地よいが、その上に「乗っている/ride している」ピアノとベースは従来型の「ノリ」はとらない。曲にもよるが、どこかクラシック系の、高音に向かって展開していく分解コード的フレーズがピアノから出ている間、ダブルベースでは同じループで構成される定型フレーズを繰り返したりする。メンバー間の、よく理解した上での「癒着のなさ・離れ」感が 20世紀型ヨーロピアン・ジャズと境を分かつ一つの特徴のように思う。
さて、先日だいぶ雪が降ったという上越だが、今日はどうだろうか。前回 12月に訪れた時は雷のお出迎えだった。澄んだ空気に北欧の音を響かせたいものだ。
by invs
| 2016-03-05 11:06
| 田中鮎美トリオ