2016年 10月 21日
Farmers Market 25周年 |
ノルウェーの驚天動地、ホンモノのスーパーバンド Farmers Market の活動 25周年を記念した特別コンサートが11/4、オスロのCosmopolite Sceneで開催される。通常のバンド編成に加えてMinko Iliev がクラリネット、Giani Lincan がチンバロム(ハンガリーのダルシマー系楽器)を演奏する。
まさに天才という言葉がふさわしいリーダーのStian Carstensenが率いるこのバンドはノルウェーきってのジャズ音楽院 Trondheim 音楽院の院生で結成された。デビュー・アルバムがMolde 国際ジャズ・フェスティヴァルのライヴ・アルバムということからもわかるように、20代の若者バンドは結成と同時に超絶レベルの音楽性と演奏力を兼ね備えていた。
彼らと最初に会ったのは、2000年をまわってそう時間が経っていない、開業して日が浅いお台場のライヴハウス Tribute to the Love Generation でのライヴ前日、三軒茶屋で、ほぼ偶然のことだった。おいしい日本酒専門店に誘い、そのあと西麻布のとあるLPレコード・バーで飲んで意気投合、半端でない一夜を過ごしたのだった。移動するタクシーの中で超絶ハイスピードの曲をそれぞれのメンバーが担当する楽器パートに従い、すべて口ずさみで一緒に再現したのには度肝を抜かれた。30才にならないぐらいのFarmers Market のメンバーは、すでにそのころアンサンブルの完成度ではヴェテランの域に達していた。
その後、十五年がたち、彼らも皆家族持ちとなり、ノルウェーやヨーロッパではひっぱりだこのバンドに成長した。ヨーロッパの主要ジャズ・フェスティヴァルは総なめしたのではないか。Farmers Market は決していわゆる日本で言うジャズバンドではないが、ヨーロッパでは一応広義の「ジャズ」の中に入れられている。もっとも、彼らのアルバムを聴けば、それもまた間違いなのではないかと思いたくもなる。人によってはそこにロックやプログレを感じ、またある人はワールド・ミュージック系のハード・インストと思う人もいるだろう。ブルガリアの旋律や高速変拍子を大胆に取り入れ、それを軸にジャズ的指向を持ちながらも、味付けは時にはポップ、メタル、ロック、ラグタイム、お笑い系、オールドタイム・アメリカン・ヴォーカル・ジャズなど際限なく幅広い。人を純粋に音楽そのもので驚かすことにおいてこのバンドの右に出る者はいない。意表をついても、独善的にはならず、一瞬へそ曲がりに見えてもユーモアたっぷりで愛嬌がある。
音楽を愛するのであれば、一度は必ずライヴで聴くべきバンド、それがFarmers Market だ。25周年、おめでとう。 photo: 前沢春美 - 2012年東京公演
まさに天才という言葉がふさわしいリーダーのStian Carstensenが率いるこのバンドはノルウェーきってのジャズ音楽院 Trondheim 音楽院の院生で結成された。デビュー・アルバムがMolde 国際ジャズ・フェスティヴァルのライヴ・アルバムということからもわかるように、20代の若者バンドは結成と同時に超絶レベルの音楽性と演奏力を兼ね備えていた。
彼らと最初に会ったのは、2000年をまわってそう時間が経っていない、開業して日が浅いお台場のライヴハウス Tribute to the Love Generation でのライヴ前日、三軒茶屋で、ほぼ偶然のことだった。おいしい日本酒専門店に誘い、そのあと西麻布のとあるLPレコード・バーで飲んで意気投合、半端でない一夜を過ごしたのだった。移動するタクシーの中で超絶ハイスピードの曲をそれぞれのメンバーが担当する楽器パートに従い、すべて口ずさみで一緒に再現したのには度肝を抜かれた。30才にならないぐらいのFarmers Market のメンバーは、すでにそのころアンサンブルの完成度ではヴェテランの域に達していた。
その後、十五年がたち、彼らも皆家族持ちとなり、ノルウェーやヨーロッパではひっぱりだこのバンドに成長した。ヨーロッパの主要ジャズ・フェスティヴァルは総なめしたのではないか。Farmers Market は決していわゆる日本で言うジャズバンドではないが、ヨーロッパでは一応広義の「ジャズ」の中に入れられている。もっとも、彼らのアルバムを聴けば、それもまた間違いなのではないかと思いたくもなる。人によってはそこにロックやプログレを感じ、またある人はワールド・ミュージック系のハード・インストと思う人もいるだろう。ブルガリアの旋律や高速変拍子を大胆に取り入れ、それを軸にジャズ的指向を持ちながらも、味付けは時にはポップ、メタル、ロック、ラグタイム、お笑い系、オールドタイム・アメリカン・ヴォーカル・ジャズなど際限なく幅広い。人を純粋に音楽そのもので驚かすことにおいてこのバンドの右に出る者はいない。意表をついても、独善的にはならず、一瞬へそ曲がりに見えてもユーモアたっぷりで愛嬌がある。
音楽を愛するのであれば、一度は必ずライヴで聴くべきバンド、それがFarmers Market だ。25周年、おめでとう。
by invs
| 2016-10-21 10:33
| Farmers Market