2016年 12月 03日
Daniel Herskedal - ライヴ写真、感想 |
9月に初来日を果たしたチューバ奏者の Daniel Herskedal のReal & True Live Series ライヴ写真を掲載する。
音響エンジニアのDaniel Wold
photos: 前沢春美
ライヴの感想を幾つか列記しておく。
9/2 公演
*本当にアコースティック・トリオだという音がする。Daniel はチューバで華麗なメロディーを吹くが、バス・トランペットの音色も素晴らしい。フレーズにはアルバム "Eastboud Train" テーマの東洋風、中近東風のメロディーが多い(セットリストは新旧 50/50 だと言っていた)。叙情的で絵画的だ。Helge Andreas Norbakken のパーカッションはバンド全体の音の動きを見て絶妙のフィル・インをする。小さな音に最大限の効果を与える弾き方だ。車のホイールを使った独特の演奏が目を引く。彼はワールド・ミュージック系のバンドとのツアーを数多くこなしていて、サーミ族のMari Boine やアイルランドのケルト系音楽を演奏する Brennan (Clannad に在籍)とも世界ツアーをしている。ピアノの Eyolf Dale はきれいなタッチを見せる。チューバとのユニゾンも「聴かせる」要素満点だ。時折、クラシックなメロディーが出てきて、やはりヨーロッパを感じさせる。
9/3 公演
*中近東を意識したメロディーが多かったが、時折、その合間を縫って突然のようにヨーロッパの美しいメロディーが現れる。チューバではオーストラリアのアボリジニーが使うディジリデゥーのような音が混じる時もあり面白い。
*Eyolf はPit Inn のピアノが Yamaha の C7だと言うと、自宅に置いてあるものと同じと言っていた。ピアノの一音一音の粒立ち感が素晴らしい。
*Helge は多くの小物パーカッションも巧みに使うが、それに加えて自分の口でもリズムをとっていた。インドのミュージシャンのようだ。
9/4 公演
*完全アコースティック・コンサートとなった。Daniel が訪れたガザのラマラ市にあるアラビア料理シェフの名前をとって題名にした曲がある。声とチューバを合わせて発声していた。喉歌のホーメイのような音も出す。Helge は手持ちシンバルを振り回して音を左右に回転させたり、ジャンベをシンバルで押さえながらもう一方の手で叩いたり、左脚腿のあたりに着けたパーカッションの帯で音を出したり多彩だ。通常の20" バス・ドラムを本人の座り位置から見て縦置き(ドラム・ヘッドがドラマーの正面にこない)に配置しているドラマーを見たのは彼が初めてだ。7/8 拍子の曲に "8" という題名を付けたり、遊び心もある。ちなみに "8" は新曲で世界プレミア・ライヴ演奏になった。
同行した音響エンジニアの Daniel Wold の腕前は一級だ。Pit Inn でのReal & True ライヴ演奏で過去見たものの中でトップ 3 に入る。はっきり言って、音響エンジニア帯同は経費がかかるので、アーティスト側も招聘側も一考を要するのだが、彼の場合は同行必須といえる。
Daniel Herskedal はまさしく「チューバ新次元」にいる。
ライヴの感想を幾つか列記しておく。
9/2 公演
*本当にアコースティック・トリオだという音がする。Daniel はチューバで華麗なメロディーを吹くが、バス・トランペットの音色も素晴らしい。フレーズにはアルバム "Eastboud Train" テーマの東洋風、中近東風のメロディーが多い(セットリストは新旧 50/50 だと言っていた)。叙情的で絵画的だ。Helge Andreas Norbakken のパーカッションはバンド全体の音の動きを見て絶妙のフィル・インをする。小さな音に最大限の効果を与える弾き方だ。車のホイールを使った独特の演奏が目を引く。彼はワールド・ミュージック系のバンドとのツアーを数多くこなしていて、サーミ族のMari Boine やアイルランドのケルト系音楽を演奏する Brennan (Clannad に在籍)とも世界ツアーをしている。ピアノの Eyolf Dale はきれいなタッチを見せる。チューバとのユニゾンも「聴かせる」要素満点だ。時折、クラシックなメロディーが出てきて、やはりヨーロッパを感じさせる。
9/3 公演
*中近東を意識したメロディーが多かったが、時折、その合間を縫って突然のようにヨーロッパの美しいメロディーが現れる。チューバではオーストラリアのアボリジニーが使うディジリデゥーのような音が混じる時もあり面白い。
*Eyolf はPit Inn のピアノが Yamaha の C7だと言うと、自宅に置いてあるものと同じと言っていた。ピアノの一音一音の粒立ち感が素晴らしい。
*Helge は多くの小物パーカッションも巧みに使うが、それに加えて自分の口でもリズムをとっていた。インドのミュージシャンのようだ。
9/4 公演
*完全アコースティック・コンサートとなった。Daniel が訪れたガザのラマラ市にあるアラビア料理シェフの名前をとって題名にした曲がある。声とチューバを合わせて発声していた。喉歌のホーメイのような音も出す。Helge は手持ちシンバルを振り回して音を左右に回転させたり、ジャンベをシンバルで押さえながらもう一方の手で叩いたり、左脚腿のあたりに着けたパーカッションの帯で音を出したり多彩だ。通常の20" バス・ドラムを本人の座り位置から見て縦置き(ドラム・ヘッドがドラマーの正面にこない)に配置しているドラマーを見たのは彼が初めてだ。7/8 拍子の曲に "8" という題名を付けたり、遊び心もある。ちなみに "8" は新曲で世界プレミア・ライヴ演奏になった。
同行した音響エンジニアの Daniel Wold の腕前は一級だ。Pit Inn でのReal & True ライヴ演奏で過去見たものの中でトップ 3 に入る。はっきり言って、音響エンジニア帯同は経費がかかるので、アーティスト側も招聘側も一考を要するのだが、彼の場合は同行必須といえる。
Daniel Herskedal はまさしく「チューバ新次元」にいる。
by invs
| 2016-12-03 11:06
| Daniel Herskedal