2017年 02月 18日
Terje Isungset 2017 来日公演二日目、昨夜の感想 |
Terje Isungset 来日公演は二日目に入った。今夜の会場は横浜の Airegin だ。馬車道にある。
公演日程詳細
昨夜の Pit Inn 公演を見て、つくづく「Terje の演奏は見飽きない」と思う。普通、一人のミュージシャンがオリジナルの曲のみで、それもインプロヴィゼーションのみで 一時間、場を持たせるのは相当難しい。かなりの技術と経験、芸術的センスがなければ途中どこかでふっと飽きを感じたりする。冗長な繰り返しフレーズがループ系のテクニックで続いたりすると特にいけない。Terje は昨夜なんとアンコールも入れて一時間半も演奏した。
Terje が「聴かせる」のには幾つか理由がある。まず、ドラムやパーカッションという楽器としては原初的形態をかなりの程度保っているものをメインに使っていること。人間の奥底にある生体リズムに呼応するものがある。次に、それら楽器がすべてアコースティックで、一切のエレクトロニクス系エフェクト類を使わないで演奏される(但し、マイクで音を拾ったあとにはエレクトロニクスが駆使されている)ことだ。エレクトロニクスも最近は相当発達してアナログ的な音色を十分に出すが、それでも素手、素足、身体だけで作られた音とは違う。更に、Terje の芸術的センスが、西洋音楽で使われる常套手段や演奏方法を表だって使うことをよしとしていないことがある。彼はどちらかと言えば、キリスト教が広まる前の原始・古代ヨーロッパにおけるアニミズム的世界に感応している。これはノルウェーが「キリスト教国としては後進国」であることと無関係ではない。我々日本人が Terje の演奏を聴いて頭でなく身体で「腑に落ちる」のは、アニミズムと非キリスト教的環境に関して日本も同根だからだと思う。
昨夜のPit Innで
photo:Knut Bry
公演日程詳細
昨夜の Pit Inn 公演を見て、つくづく「Terje の演奏は見飽きない」と思う。普通、一人のミュージシャンがオリジナルの曲のみで、それもインプロヴィゼーションのみで 一時間、場を持たせるのは相当難しい。かなりの技術と経験、芸術的センスがなければ途中どこかでふっと飽きを感じたりする。冗長な繰り返しフレーズがループ系のテクニックで続いたりすると特にいけない。Terje は昨夜なんとアンコールも入れて一時間半も演奏した。
Terje が「聴かせる」のには幾つか理由がある。まず、ドラムやパーカッションという楽器としては原初的形態をかなりの程度保っているものをメインに使っていること。人間の奥底にある生体リズムに呼応するものがある。次に、それら楽器がすべてアコースティックで、一切のエレクトロニクス系エフェクト類を使わないで演奏される(但し、マイクで音を拾ったあとにはエレクトロニクスが駆使されている)ことだ。エレクトロニクスも最近は相当発達してアナログ的な音色を十分に出すが、それでも素手、素足、身体だけで作られた音とは違う。更に、Terje の芸術的センスが、西洋音楽で使われる常套手段や演奏方法を表だって使うことをよしとしていないことがある。彼はどちらかと言えば、キリスト教が広まる前の原始・古代ヨーロッパにおけるアニミズム的世界に感応している。これはノルウェーが「キリスト教国としては後進国」であることと無関係ではない。我々日本人が Terje の演奏を聴いて頭でなく身体で「腑に落ちる」のは、アニミズムと非キリスト教的環境に関して日本も同根だからだと思う。


by invs
| 2017-02-18 12:22
| Terje Isungset

