2017年 04月 18日
Sonar、本日二日目は金沢、昨夜の感想 |
スイスのバンド Sonar による初来日ツアーが二日目に入った。今夜の会場は金沢の「もっきりや」だ。
ツアー詳細
バンド関連記事一覧
昨夜の京都 RAG でのライヴは説得力のあるものだった。日本で知られていない初来日アーティストのライヴではオーディエンスの反応が気になるものだが、それもなかなかよかった。
ステージ上には中央右寄りにドラム、その左にベース、左右両脇にギターという配置だ。ギター二台による音の分離感が自然ステレオ状態で気持ちがいい。右側で演奏するStephan Thelen はAllan Holdsworth と同タイプのギターを使っていた。最近のバンドは普通、ギター系はかなりのエフェクト類を使うが、Sonar のギタリスト二人とベーシストはそれぞれ一種類のエフェクトしか使わず、彼らのバンド方針同様ストイックでミニマルだ。ギターアンプにもあまりこだわらない。このあたりは通常のバンドとかなり違う。
バンド全体としてそぎ落とせるところはとことん落とすという思想が貫かれている。ほとんどの主要メロディーと思しきものを削り、リズムに集中させる。太い骨格に薄いが精緻にできた皮膚と鍛錬された少量の筋肉が一塊となって前進してくるイメージだ。これは迫力がある。やはりこれはライヴでしか味わえないと思う。曲の中にはKing Crimson やGuitar Craft を感じさせるフレーズも見られるが、これはごく一部で、Sonar らしい硬質のドライブ感が満載だ。
よく練られた音楽哲学を理知的な方法で組み立てるのは、Sonar というバンド名の元となったSonic Architecture(音建築、音構築物)というコンセプトに相応しい。そして、ここからが彼らの真骨頂だが、それを理性レベルで終わらせず、身体にダイレクトに響くトライバル・モードへと収斂させていく。理性と野性の抱き合わせの妙技が披露される。繰り返しのように聴こえる、転調なしのグルーヴの裏には絶えることなき複雑なポリリズムの構築があり、それを更に屈曲させる変拍子と硬軟取り混ぜた曲構成がある。メロディ―ラインは追いかけないし、追いかける意味もない。せいぜい聴こえてくるのはギターのスケールだ。ギターという弦楽器であるからこそ可能となる、平均律から逸脱したトライトーン(三全音)のマジックがポリリズムを強化する。
Sonar は音楽怪物だ。新たな地平を切り開いている。
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昨夜の京都 RAG でのライヴは説得力のあるものだった。日本で知られていない初来日アーティストのライヴではオーディエンスの反応が気になるものだが、それもなかなかよかった。
ステージ上には中央右寄りにドラム、その左にベース、左右両脇にギターという配置だ。ギター二台による音の分離感が自然ステレオ状態で気持ちがいい。右側で演奏するStephan Thelen はAllan Holdsworth と同タイプのギターを使っていた。最近のバンドは普通、ギター系はかなりのエフェクト類を使うが、Sonar のギタリスト二人とベーシストはそれぞれ一種類のエフェクトしか使わず、彼らのバンド方針同様ストイックでミニマルだ。ギターアンプにもあまりこだわらない。このあたりは通常のバンドとかなり違う。
バンド全体としてそぎ落とせるところはとことん落とすという思想が貫かれている。ほとんどの主要メロディーと思しきものを削り、リズムに集中させる。太い骨格に薄いが精緻にできた皮膚と鍛錬された少量の筋肉が一塊となって前進してくるイメージだ。これは迫力がある。やはりこれはライヴでしか味わえないと思う。曲の中にはKing Crimson やGuitar Craft を感じさせるフレーズも見られるが、これはごく一部で、Sonar らしい硬質のドライブ感が満載だ。
よく練られた音楽哲学を理知的な方法で組み立てるのは、Sonar というバンド名の元となったSonic Architecture(音建築、音構築物)というコンセプトに相応しい。そして、ここからが彼らの真骨頂だが、それを理性レベルで終わらせず、身体にダイレクトに響くトライバル・モードへと収斂させていく。理性と野性の抱き合わせの妙技が披露される。繰り返しのように聴こえる、転調なしのグルーヴの裏には絶えることなき複雑なポリリズムの構築があり、それを更に屈曲させる変拍子と硬軟取り混ぜた曲構成がある。メロディ―ラインは追いかけないし、追いかける意味もない。せいぜい聴こえてくるのはギターのスケールだ。ギターという弦楽器であるからこそ可能となる、平均律から逸脱したトライトーン(三全音)のマジックがポリリズムを強化する。
Sonar は音楽怪物だ。新たな地平を切り開いている。

by invs
| 2017-04-18 10:25
| Sonar