2023年 10月 15日
Peter Hammiill 公演最終日 |
今日は Peter Hammiill 公演最終日だ。あいにくの雨だが、大勢の方々がいらっしゃる。
Peter はカソリックの家に生まれた。ヴァチカンと袂を分けたイギリス国教会が主流のイギリスにあってはマイノリティだ。子供の頃はイエズス会のボーディング・スクールに入っていた。イエズス会系のスクールは二つあって、北部にあるものが厳格で、Peter がいた南にある方は少しばかり開けていた。
彼のピアノ曲のコード進行に讃美歌風のものがあるのは学校の影響があるのかも知れない。また、曲に宗教批判がちらほら見えるのもそれに関係するのだろう。これは経験した者でないと分からないだろうが、イギリスの宗教系ボーディング・スクールのかつての厳しさはよく知られている。Peter も親元から離れて 4ヶ月間ごとにしか親と会わなかったと言っている。
1960 年代は「自由」という意味で新たな価値観をもたらした。親からの自由、社会の束縛からの自由、いろいろな習慣・規範からの自由など広い範囲で急速に変化していった。その時代にイギリスで青年期、それも音楽を創造していくことで過ごした Peter は価値観の変化の最先端にいたといっていいい。その精神は今も見てとれ、彼の思想と行動の基本の一部を形成している思う。
2000 年代以降、世界の主だった国々は揃って保守化が進んだ。1960 年代の逆を行っているような雰囲気だ。毎月のようにそれまで全くなかった新しいものが生まれ、新たな考えが広がり、思いもしなかったことが現実となっていった '60 年代は、当時の 10 代. 20 代には本当に新鮮だったが、2000 年代以降の若者はすべてが予定され、規定され、「分かって」いることしか起きない世の中にいるように感じられているのでないか。実際は IT やバイオや新しいこと(考え)が起きているとしても。
その現代にあって Peter が提示する価値観や考えには少なからず共鳴するものがある。もちろん、彼の曲にはそれ以外の日常やら人生やらのテーマがあり、「自由」がすべてではない。そういう曲にも深い洞察があり、頷けるものがある。しかし、根底にはどこかフリーに飛翔を望む Peter があるように思う。
by invs
| 2023-10-15 11:36
| Peter Hammill

