2024年 02月 22日
本日、東京公演 -- Duo Lijbaart/Brederode (デュオ・ライバート/ブレーデローデ) 公演 |
Duo Lijbaart/Brederode (デュオ・ライバート/ブレーデローデ)は本日、東京公演だ。渋谷の道玄坂の脇を入ったところにあるライヴハウス 7th Floor で 19:00 開場、19:30 開演となる。
二人の演奏を見ているとその自在さが浮き彫りになる。長いこと二人で一緒にやっていて、Lijbaart に言わせれば "musical brothers"(音楽兄弟)になっているから当然だろう。
二人が組むことになった、20 年前ほどの最初のエピソードが面白い。二人が参加していた他のバンドでライヴ・サウンドチェック中、急に電源が落ちてエレクトリック系の楽器が鳴らなくなった中、ピアノとドラムだけが生音で出ていてそのまま演奏を続けたという。その時、二人の音がちょうどいい感じで、これなら二人でやれるという気が起きたそうだ。何が幸いするかわからない。「危機」と「幸運」は隣り合わせだ。
Lijbaart はたくさんのパーカッション類とオカリナを持ってきている。グロッケンシュピール、チベット・ベル、丸い鈴をつなげたもの、扁平なベル状のものを数珠つなぎにしたもの、シェイカー、大きな木の実をつなげて輪にしたもの(cabalonga crispy shaker)、小型の銅鑼二種などを吊るしたり、手にもったり、或いはステイック、ワイヤーブラシ、手やマレットで叩いたり、様々に使う。それらをドラム類やシンバル類と同時並行的に演奏するので忙しい。ステイックやマレットの持ち替えも頻繁にあり、それに更に加えてオカリナ(穴が開いていない、奥様自製のもの)を口に咥えて吹く。足は当然、バスドラやハイハットに使われている。右手の人差し指でシンバルを押さえ、弓を左手に持ってシンバルを縦方向に擦ることにより、高い倍音を出すハーモニックスを作り出す。そしてその直後に右手でシンバルを軽く押さえてハーモニックスの振動を二回、三回と制御する。相当、芸が細かい。
Lijbaart 一人を見ているだけでライヴが堪能できる。こういうのは小さな会場だからこそで、細かな、しかし芸術的演奏を聴いて、見ることは大きな会場では制限がある。視覚的にステージは遠く、そこでは音は PA で拡大され、ディレイで残響が加えられ、「作られ」ているから、どうしても本物ではなくなる。うまい演奏家であればある程、本物の音に勝る音はない。特にアコースティック楽器であるドラムやシンバルはそうだ。
ヨーロッパのアーティスティックなジャズ、それも ECM レーベルに認められたアーティストの生のアコースティック演奏を日本で至近距離でじかに聴くことはなかなかできない。是非、この機会をお見逃しなく。 金沢 もっきりや公演
by invs
| 2024-02-22 09:33
| Lijbaart/Brederode