2024年 04月 29日
ピアニスト Samuli Mikkonen (サムリ・ミッコネン)富山公演感想 |
Samuli Mikkonen (サムリ・ミッコネン)の富山公演が Newport で行われた。とても雰囲気のある、以前行ったヘルシンキのバーを思い出すような、落ち着いた空間に満員のお客様を迎えることができた。Samuli のインプロも冴え、次から次へと音の階段を昇るが如く、新たな奏法、新たな構築美を創り出していた。まさに、これまでの日本ツアーで白眉の出来だった。
Samuli も演奏に満足を感じたのか、ツアー開始後、この一週間で一度も演奏したことのない、自身のバンド KUÀRA(クアラ)の曲を ECM レーベルのアルバムから選んでアンコールの前に演奏した。彼はこれを song(曲)と呼びインプロビゼーションと区別していた。アンコールは Chick Corea の曲だった。
ステージでの説明もこれまでと変わり、ChatGPT で世界が変化していくこと、必ずしもそれは悪いとは限らないこと、或いは Hermann Hesse(ヘルマン・ヘッセ - ドイツ生まれ、スイスの作家)が東洋思想をよく理解していたこと、自分は西洋の考えに立脚して東洋を見つめていることなど、Samuli の興味・考えの一端を覗かせていた。「Hermann Hesse のスピリットを感じて演奏する」のもインプロの在り方として面白かった。
Samuli の演奏の素晴らしさは勿論のこと、それを引き出した会場と、なんといってもオーディエンスがこの公演を唯一無二のものとした。感謝申し上げる。
by invs
| 2024-04-29 10:00
| Samuli Mikkonen

