2025年 01月 25日
イギリスの草の根(グラスルーツ)音楽興行市場の縮小と政府の資金投入 |
コロナやウクライナ戦争の影響が多くの国の音楽興行業界を痛めつけたことは既に経験的に知られているが、イギリスの草の根(グラスルーツ)音楽会場のチャリテイ機関 Music Venue Trust(MVT)は最新の年次報告書でイギリスの状況を更に長期に亘ってリポートしている。
1/24 のオンライン音楽誌 Music Week がそれを伝えている。一部拾ってご紹介しよう。報告書では草の根(グラスルーツ)音楽会場は守られなければならないという機運が政治家、業界、アーティストと一般市民で高まり、政府が資金を投入することが真剣に議論されているとしている。
草の根(グラスルーツ)音楽会場分野で最も懸念される問題の一つは、過去数十年にわたるツーリング・サーキット(アーティストがツアーする場所)拠点数の減少だ。
1994 年から 2024 年の 30 年間で、これらのツアー開催地は縮小し、1994 年の平均ツアーは 22 日程だったが、2024 年のツアーはわずか 11 日程だった。さらに、1994 年のツアーはイギリス全土 28 か所で行われたが、2024 年には、主要都市を含むわずか 12 か所が主要および二次的ツアーとして残り、草の根ツアーの定期開催地となっただけだった。 (主要なツアー・サーキットとは、全国的な草の根ツアーの 3 分の 2 以上が受け入れられる場所として定義される。二次的ツアーとは全国草の根ツアーの 3 分の 1 以上が受け入れられる場所。)
レスター、エディンバラ、バース、ハル、ノリッジ、ウィンザー、ウルヴァーハンプトン、ストーク・オン・トレントなどの都市や町は、ここ数年で主要ルートから外れている。 Bath Moles(イギリスで最も古い草の根会場の一つ)は 45 年間の歴史を経て、2023 年末に閉店した。 スコットランドやウェールズなどの一部の地域にとって、これはそれぞれの地域の広範囲が完全に遮断されたことを意味し、その結果、人々はさらに遠くへ行かなければならなくなったり、単にライブ音楽にまったくアクセスできなくなったりすることになる。レポートで概説されているように、その結果は、ライブ音楽ショーの総数の減少 (2023 年以来 8.3 % 減少)と、チケット収入のさらに急激な減少 (2023 年以来 13.5% 減少) となった。
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調査によると、合計 2,000 万人弱の聴衆に向けて約 150 万回の個々のアーティストのパフォーマンスを含む 162,000 回を超えるライブ音楽イベントを開催。これらのイベントが英国経済にもたらした直接的な価値の総額は 5 億 2,600 万ポンドだったという。
by invs
| 2025-01-25 12:35
| 「その他」の重さ


