2025年 09月 21日
Arcanum (アルカナム)、ヨーロッパ・ツアー |
10/23、ポーランドのチェコ・ドイツ国境に近い Jelenia Góra (イレニア・ゴーラ)の Krokus(クロークス)Jazz Festival に北欧のバンド Arcanum (アルカナム)が出演する。会場は Jeleniogórskie Centrum Kultury (イレニオゴルスキー文化センター)の Kwadrat にある Sala Widowiskowa だ。
名だたるメンバーで構成されるこのバンドは ノルウェ―のカンテレ/シンガーの Sinikka Langeland(スィニッカ・ランゲラン)のバックで演奏していた三人、Trygve Seim 、Anders Jormin と Markku Ounaskari のところへ Arve Henriksen が加わることで結成された。後に四人は Sinikka の 2006 年のアルバム "Starflowers"、"The Land That Is Not" と "The Magical Forest" で演奏している。

Arve Henriksen (アルヴェ・ヘンリクセン)- Trumpet
Trygve Seim (トリグヴェ・セイム)- Saxophone
Anders Jormin(アンデシュ・ヨルミン) - Double Bass
Markku Ounaskari (マルク・オウナスカリ)- Drums, Percussion
曲 "Elegy" 試聴 ECM
バンドは 9 月から断続的にツアーが続いているが、このフェスティバルの後は以下の予定だ。
11/27 スイス・ルガーノ、 ジャズクラブ Jazz In Bess
11/28 オランダ・ティルブルフ、 ジャズクラブ Paradox
11/29 オランダ・アムステルダム、 ジャズクラブ Bimhuis
11/30 オランダ・ロッテルダム、 映画・ジャズ劇場 LantarenVenster
フェスのサイトより引用
では、アルカナムの音楽づくりのアプローチの根はどこにあるのだろうか。トリュグヴェ・セイムの冒頭の作品 "Nokitpyrt" がひとつの手がかりを示している。アンデシュ・ヨルミンはそれを「スカンジナビアの先達への敬意あるお辞儀」と呼ぶ。この曲名を逆から読むと "Triptykon" に近づく。これは Jan Garbarek(ヤン・ガルバレク)が 1972 年に Arild Andersen (ア―リル・アンダシェン)、 Edward Vesala,(エドワード・ヴェサラ)と共に録音した画期的な作品であり、自由なバラードに新たな視点を開き、ポスト・アイラー的な即興とノルウェー伝統音楽の間に精神的な親和性を見出したものである。アルカナム・カルテットもまた、ジャズ的創造性というプリズムを通じて、より広い音楽と意味の領域を探ろうとしている。
その証拠のひとつが、彼らによるフィンランドの伝統曲 "Armon Lapset" の解釈である。アルヴェ・ヘンリクセンはこう述べている。 「この西方 Læstadian (ラエスタディアン)派の賛美歌は、かつてノルウェー北トロムス地方で広く歌われていました。これはクヴェン語(Kven)を生かし続ける助けとなり、1860 年代からの Tornedal (トルネダル)方言やフィンランドの教会言語の一部でした。私たちはこの詩篇を出発点として、非常に自由な解釈を行い、元の文脈からはかなり遠く離れたところへ導きました。」
アンデシュ・ヨルミンの曲 "Koto" は 1999 年にスウェーデン放送の委嘱作品として作曲され、当初はアルヴェ・ヘンリクセンやギタリストの Marc Ducret(マルク・デュクレ)らが参加した。ヨルミンの日本伝統音楽への関心は、その後、箏奏者・中川果林との共演を通じてさらに深まり、"Trees of Light" や "Pasado en claro" といったアルバムにも結実している。
ヨルミンは "Elegy" をアルヴェ、トリュグヴェ、マルクを念頭に「ウクライナ戦争の初日に」書いた。その後に続くのが "What Reason Could I Give" の短い紹介であり、ヨルミンはこれを「 Ornette Coleman (オーネット・コールマン)の多くの表現力豊かで象徴的な曲の中でも私のお気に入り」と語っている。この美しいバラードは Don Cherry(ドン・チェリー)の遺作 "Dona Nostra"(ヨルミンが初めて ECMに参加したアルバム)に収められ、1993 年にはチェリーと Bobo Stenson (ボボ・ステンソン)によるデュオとして演奏されていた。
アルカナムにおける即興演奏は、独特のフォルム感覚を示している。ここでの探求は常に的を絞り、音楽家たちは簡潔で要点を押さえた演奏を保っている。
by invs
| 2025-09-21 07:53

