2026年 06月 26日
スイスの Aba Trio (アバ・トリオ)、三日目は東京公演、バンドの感想 |
Aba Trio (アバ・トリオ)のツアー三日目は東京公演だ。代官山の「晴れたら空に豆まいて」で 20:30 のスタートとなる。オープニング・アクトはすずめのティアーズで 19:15 スタートだ。
昨夜の稲毛公演は小雨の中、熱心なオーディエンスが集まり、とても集中した雰囲気の中、演奏が行われた。バンドもいいリスナーを得て、「これこそ本物のライヴ」という意気込みだった。一般的に日本のオーディエンスはいい聞き手だが、特にこの日は素晴らしかった。バンドはすぐに反応し、演奏により磨きがかかる。演奏というのは演者だけが作るものではない。オーディエンスが一緒に作るものだ。
Andreas Gabriel はスイス中央部ルツェルンに近いところの生まれで、音楽一家に育った。家族全員がフォーク音楽を演奏する。子供のころよりどっぷり伝統音楽に浸ってきた。スイスの伝統的フォーク・ヴァイオリンの特徴には、力強く鋭いボウイング、リズムを強調する短い弓使い、装飾音の多用、踊り(Ländler/レンドラー、Schottisch/ショティッシュ、Polka/ポルカ など)に合わせた歯切れのよい演奏がある。全般的にダンス曲が多く、Andreas の演奏スタイルを見ていると、いますぐにでも踊りだしそうな身体の使い方が見て取れる。
Björn Meyer の楽器は珍しいものでバス・マンドーラという。特別にスウェーデンで作らせたもので、できあがるのに 3 年かかっている。全部で 5 つの音を 2 弦づつ、計 10 弦張ってあるが、低音部の二音(計 4 弦)の各音は音程は違うが、弦はそれぞれオクターヴづつ離れている。彼は巧みにベース音とリズム・コード音を曲の変化に応じて使い分けている。このバス・マンドーラの音が Aba Trio の一つ目の変化球だ。
Andi Pupato のパーカッション群はとても多彩だ。自作のものもあり、聴いていて飽きない。演奏も細かな曲の変化に対応して(ありとあらゆる機会をとらえて)いろいろなパーカッションを様々な使い方で聴かせる。普通のスイス伝統的フォーク音楽では使われないパーカッションが多く、そのアプローチが新鮮だ。これが Aba Trio 第二の変化球となる。
三人寄れば文殊の知恵ではないが、普通ではとてもできないようなアレンジ、音色、インターアクションが飛び出し、興味は尽きない。「スイスではこのような音楽はない」とバンドは語っていたが、ほんとうにそう思う。バンドは結成されたばかりだ。今後、大いに発展していくに違いない。

by invs
| 2026-06-26 10:38
| Aba Trio

