2007年 01月 13日
キリスト教と今の音楽 |
かねてからヨーロッパにおけるキリスト教と今の音楽との関係について考えてきた。ローマ帝国もキリスト教が主要な宗教になる前は多神教だったわけで、当然、ローマ帝国に組み入られる前のヨーロッパの古層文化はキリスト教から自由だった。
これはあくまで私見だが、ここ20年ぐらいのヨーロッパの音楽を見ると、真の意味で音楽の開拓を担ってきたのはキリスト教化が後から行われた地域、つまりキリスト教への抵抗が強かった地域だ。
世界的ブームになったケルト系の音楽、いわゆるジプシー系音楽、東欧や北欧の「辺境」音楽など、キリスト教的世界観から距離を置いた地域の音楽が「熱い」。ちょうど絵画の世界において初期の絵がすべて宗教画、それもキリスト教に関する絵画であったように、音楽も教会の影響下から簡単に逃れることはできなかった。教会という制度の下で「育まれた」メリットは存分にあったに違いないが、それは同時にハンディキャップだった。ただ、そのハンディが一般に「重荷」として認識されるには20世紀まで待たなければならなかった。
アフリカ起源でアメリカで発展したブルースやジャズ、それらを消化したヨーロッパのミュージシャンという系譜を辿ってはじめて音楽はキリスト教から解放されたのではないか。
そういう視点から眺めると、なぜ Real & True Live Series で北欧や東欧のミュージシャンが取り上げられるのか、もちろん後付の理由だが、わかるような気がする。Seriesでイギリスのミュージシャンが多いのは、イギリス国教会が何世紀も前にローマ教皇と袂を分けたからだ、と言いたくなる。
2007年1月、少しばかり遅い初夢だ。
これはあくまで私見だが、ここ20年ぐらいのヨーロッパの音楽を見ると、真の意味で音楽の開拓を担ってきたのはキリスト教化が後から行われた地域、つまりキリスト教への抵抗が強かった地域だ。
世界的ブームになったケルト系の音楽、いわゆるジプシー系音楽、東欧や北欧の「辺境」音楽など、キリスト教的世界観から距離を置いた地域の音楽が「熱い」。ちょうど絵画の世界において初期の絵がすべて宗教画、それもキリスト教に関する絵画であったように、音楽も教会の影響下から簡単に逃れることはできなかった。教会という制度の下で「育まれた」メリットは存分にあったに違いないが、それは同時にハンディキャップだった。ただ、そのハンディが一般に「重荷」として認識されるには20世紀まで待たなければならなかった。
アフリカ起源でアメリカで発展したブルースやジャズ、それらを消化したヨーロッパのミュージシャンという系譜を辿ってはじめて音楽はキリスト教から解放されたのではないか。
そういう視点から眺めると、なぜ Real & True Live Series で北欧や東欧のミュージシャンが取り上げられるのか、もちろん後付の理由だが、わかるような気がする。Seriesでイギリスのミュージシャンが多いのは、イギリス国教会が何世紀も前にローマ教皇と袂を分けたからだ、と言いたくなる。
2007年1月、少しばかり遅い初夢だ。
by invs
| 2007-01-13 22:32