2007年 06月 09日
Cicala-Mvta (シカラムータ) - 5/27 公演 |
会場がBuddy に移った「ミュージック from フィンランド」二日目の5/27 15:00 公演、最初に登場したのはCicala-Mvta (シカラムータ)だ。シカラムータとは「声なき蝉」という意味で、戦前の大道演歌師・添田唖蝉坊の墓碑銘「A CICALA-MVTA CHE CANTAVA ELAS VA MOGLIE CHE L'AMAVA」 より採用されている。Real & True Live Series では 2004年チェコの Traband 連続公演のとき以来、二回目の出演となる。 photo 前沢春美
日本のチンドンに、東欧のクレズマー、或いはジプシー、ロシアの風、一曲の中にマルチ民族・マルチ文化が溢れんばかりに戯れるところを、管楽器と打楽器を中心とするインストで操る、一種の文化的蛇使い。リーダーの大熊亘の吹くクラリネットがそんな妄想を誘う。こぐれみわぞうのちんどん的和装(でもブーツ)が他のメンバーの普通の身なりから隔絶して、よりチンドンを際立たせるのに役立っている。ドラムの外山明が「裏」の拍を追っているのが、そのチンドンがすでに和モノの領域を超えてしまっていることを印象付ける。関島岳郎のチューバは大変だ。一曲えんえんと低音域をコンスタントにカヴァーするだけでも大仕事なのに、裏拍で責められ、曲が変わっても引き締め役を降りるわけにはいかないのだ。ギターの桜井芳樹が時折発するやけにジャズ系のフレーズが民族系の混沌の中に異彩を放つ。そして川口義之と渡辺明子の管によるアンサンブルが色の枠をはめようとするが、バンドで唯一非管楽器・非打楽器である太田惠資のヴァイオリンが枠を脱する。
これは現代の和芸ではないか。
日本のチンドンに、東欧のクレズマー、或いはジプシー、ロシアの風、一曲の中にマルチ民族・マルチ文化が溢れんばかりに戯れるところを、管楽器と打楽器を中心とするインストで操る、一種の文化的蛇使い。リーダーの大熊亘の吹くクラリネットがそんな妄想を誘う。こぐれみわぞうのちんどん的和装(でもブーツ)が他のメンバーの普通の身なりから隔絶して、よりチンドンを際立たせるのに役立っている。ドラムの外山明が「裏」の拍を追っているのが、そのチンドンがすでに和モノの領域を超えてしまっていることを印象付ける。関島岳郎のチューバは大変だ。一曲えんえんと低音域をコンスタントにカヴァーするだけでも大仕事なのに、裏拍で責められ、曲が変わっても引き締め役を降りるわけにはいかないのだ。ギターの桜井芳樹が時折発するやけにジャズ系のフレーズが民族系の混沌の中に異彩を放つ。そして川口義之と渡辺明子の管によるアンサンブルが色の枠をはめようとするが、バンドで唯一非管楽器・非打楽器である太田惠資のヴァイオリンが枠を脱する。
これは現代の和芸ではないか。
by invs
| 2007-06-09 16:48