2007年 08月 09日
Jon Christensen (ヨン・クリステンセン) |
Jacob Young Group のドラマー、Jon Christensen (ヨン・クリステンセン)について少し書いておこう。
先日、吉祥寺のLP ジャズ・カフェに行ったとき、オーナーの泉さんにとても興味深い本を見せていただいた。スウェーデンの有名ジャズ・クラブについて書かれた写真入りの本で、そのクラブに出演したミュージシャンなどの公演日やメンバーなどの詳細がわかるものだ。その中に1960年代初め、ビッグバンドで演奏する Jon Christensen が写っている写真があった。バンドのフロントにはサックスを吹く Jan Garbarek (ヤン・ガルバレック)も見える。後、ともにECM で活躍する二人の若き姿が印象的だ。
Jon Christensen 自身の言葉をみてみる。最近出版された "The Horizons Touched The Music of ECM" から拾ってみよう。「1960年代、有名なアメリカのジャズ・ミュージシャン達と一緒にノルウェーで演奏できるチャンスが訪れたとき、そういう種類のジャズはすでに知っていた。ミューヨーク(!)ではなく、オスロ出身の若いドラマーとして、そういう演奏に自分が貢献できるのだ、という自信を持つことが成長するということだった。」
「Jan Garbarek と一緒にやったものは彼が作曲したものやフリージャズ、そしてノルウェーのフォークソングをベースにしたものだった。Bobo Stenson (ボボ・ステンソン)やPalle Danielsson (パレ・ダニエルソン)とのバンドは、長いフリーな演奏部分があって、いつもメンバー全員が新しいアイデアを出している、もっとインタープレイのようなものだった。」
「1970年よりECMで録音し、異なるバックグラウンドを持って、何か新しいことをしようとしている多くのミュージシャンに会った。そういう中で更なるインタープレイのために、Keith Jarrett と彼のメロディーやコンセプトと出会ったことはある意味自然だった。楽譜は一度も見たことがなかった。Keith はただ、ヨン、感じることと聴いていることを演奏してくれ、とだけ言った。新しい音楽を作る上で何と素晴らしい機会であったことか。Keith ありがとう!」
ドラムという楽器の種類故か、Jon の性格か、ECM からリリースされたアルバムで彼の名前で出されているものは "Selected Recordings" というベスト盤しかない。しかし、彼はECM がリリースしたアルバムの約60 タイトルに参加している、ヴェテラン・ドラマーだ。研ぎ澄まされたシンバルワーク、特に「ライド・シンバル」を聴けば彼の名前が浮かぶほどその音は知られている。「ECM サウンド」と呼ばれ、「ECM ファン」というリスナーを世界中に作り出したECMだが、その音は Jon Christensen なしには成立しなかったであろう。
しばらく療養生活をしていて現場から遠ざかっていたと言われていたが、近年再び活動を始めたことはとても喜ばしい。昨年、ヘルシンキでやはりECM からアルバムをリリースしている Iro Haarla (イロ・ハールラ)のバンドのメンバーとして演奏を目撃したが、Jon Christensen のドラムとシンバル・ワークは特筆に価するものをもっていた。演奏中、わざと二本のドラム・スティックをドラム・セットの前に投げ捨てる芸当を見たときは、「ドラム演奏を放棄することを演奏に取り入れている」という意味でかなり刺激的だった(落ちたスティックは他のメンバーが拾っていた)。
9/17-18、いよいよ日本で Jon の演奏を聴くことができる。
(写真:ノルウェー・ミュージック・インフォメーション・センター)

Jon Christensen 自身の言葉をみてみる。最近出版された "The Horizons Touched The Music of ECM" から拾ってみよう。「1960年代、有名なアメリカのジャズ・ミュージシャン達と一緒にノルウェーで演奏できるチャンスが訪れたとき、そういう種類のジャズはすでに知っていた。ミューヨーク(!)ではなく、オスロ出身の若いドラマーとして、そういう演奏に自分が貢献できるのだ、という自信を持つことが成長するということだった。」
「Jan Garbarek と一緒にやったものは彼が作曲したものやフリージャズ、そしてノルウェーのフォークソングをベースにしたものだった。Bobo Stenson (ボボ・ステンソン)やPalle Danielsson (パレ・ダニエルソン)とのバンドは、長いフリーな演奏部分があって、いつもメンバー全員が新しいアイデアを出している、もっとインタープレイのようなものだった。」
「1970年よりECMで録音し、異なるバックグラウンドを持って、何か新しいことをしようとしている多くのミュージシャンに会った。そういう中で更なるインタープレイのために、Keith Jarrett と彼のメロディーやコンセプトと出会ったことはある意味自然だった。楽譜は一度も見たことがなかった。Keith はただ、ヨン、感じることと聴いていることを演奏してくれ、とだけ言った。新しい音楽を作る上で何と素晴らしい機会であったことか。Keith ありがとう!」
ドラムという楽器の種類故か、Jon の性格か、ECM からリリースされたアルバムで彼の名前で出されているものは "Selected Recordings" というベスト盤しかない。しかし、彼はECM がリリースしたアルバムの約60 タイトルに参加している、ヴェテラン・ドラマーだ。研ぎ澄まされたシンバルワーク、特に「ライド・シンバル」を聴けば彼の名前が浮かぶほどその音は知られている。「ECM サウンド」と呼ばれ、「ECM ファン」というリスナーを世界中に作り出したECMだが、その音は Jon Christensen なしには成立しなかったであろう。
しばらく療養生活をしていて現場から遠ざかっていたと言われていたが、近年再び活動を始めたことはとても喜ばしい。昨年、ヘルシンキでやはりECM からアルバムをリリースしている Iro Haarla (イロ・ハールラ)のバンドのメンバーとして演奏を目撃したが、Jon Christensen のドラムとシンバル・ワークは特筆に価するものをもっていた。演奏中、わざと二本のドラム・スティックをドラム・セットの前に投げ捨てる芸当を見たときは、「ドラム演奏を放棄することを演奏に取り入れている」という意味でかなり刺激的だった(落ちたスティックは他のメンバーが拾っていた)。
9/17-18、いよいよ日本で Jon の演奏を聴くことができる。
(写真:ノルウェー・ミュージック・インフォメーション・センター)
by invs
| 2007-08-09 10:44
| Jacob Young