2008年 02月 29日
Nik Baertsch (ニック・ベルチュ) と Prince |
数年前、ちょうどNik Baertsch のバンド Ronin (ローニン)がECMより初のアルバムを出すということで、地元スイス・チューリッヒでリリース公演があった時だ。Nik といろいろ話す機会があった。
日本ではECMから出たCDを「ミニマル」という表現で紹介しているものが多いが、そういう見方に対比すると面白い話を聞いた。Nik はPrince の音楽が好きだという。あのアメリカの「派手な」Prince だ。Prince の最近の作品が特にいいらしい。やはり、グルーヴ感から来るのだろう。Prince をミニマルという人はいない。確かに反復フレーズはある。だが、抑制しているとは思えない。
その後、ECMから二枚目が出るとの話を聞いた頃、また考えた。これはRonin のライヴを数回見てから思ったのだが、Nikは抑制を楽しんでいる。それも、抑制の後に活発な「爆発」があるのではなく、抑制の連鎖の上に次から次へと別の抑制を重ねている。肉体的・精神的な極限を目指すかのような抑制の中に滲み出てくる細かな差異を創り出しては、喜んでいる。もちろん、無意識で進行するのだが、はたから見るとあたかもそれが聴衆に悟られるのをわくわくしながら、或いは悟られないかどうか試しながら演奏しているかのように見える。少しばかり、こちらがテストされている感じだ。
相当の集中を要求される。いわゆる「ミニマル」の反復とは明らかに違う。油断もすきもないのだ。ともすると「ミニマル」は抑制よりも画一という感じに流れやすい。真の抑制はアナログの集合体である人間の専売特許だ。機械任せではファーストフード的味付けになってしまう。そこでPrince に戻る。
確かに、Princeは「派手目のアウトフィット」だが、その枠組みで「彼らしくアナログ的に抑制」しているではないか。根は同じだ。なるほど。
日本ではECMから出たCDを「ミニマル」という表現で紹介しているものが多いが、そういう見方に対比すると面白い話を聞いた。Nik はPrince の音楽が好きだという。あのアメリカの「派手な」Prince だ。Prince の最近の作品が特にいいらしい。やはり、グルーヴ感から来るのだろう。Prince をミニマルという人はいない。確かに反復フレーズはある。だが、抑制しているとは思えない。
その後、ECMから二枚目が出るとの話を聞いた頃、また考えた。これはRonin のライヴを数回見てから思ったのだが、Nikは抑制を楽しんでいる。それも、抑制の後に活発な「爆発」があるのではなく、抑制の連鎖の上に次から次へと別の抑制を重ねている。肉体的・精神的な極限を目指すかのような抑制の中に滲み出てくる細かな差異を創り出しては、喜んでいる。もちろん、無意識で進行するのだが、はたから見るとあたかもそれが聴衆に悟られるのをわくわくしながら、或いは悟られないかどうか試しながら演奏しているかのように見える。少しばかり、こちらがテストされている感じだ。
相当の集中を要求される。いわゆる「ミニマル」の反復とは明らかに違う。油断もすきもないのだ。ともすると「ミニマル」は抑制よりも画一という感じに流れやすい。真の抑制はアナログの集合体である人間の専売特許だ。機械任せではファーストフード的味付けになってしまう。そこでPrince に戻る。
確かに、Princeは「派手目のアウトフィット」だが、その枠組みで「彼らしくアナログ的に抑制」しているではないか。根は同じだ。なるほど。
by invs
| 2008-02-29 01:24
| Nik Baertsch's Ronin