2008年 06月 05日
「ミュージック from フィンランド」- 5/29、日比谷カタン |
「ミュージック from フィンランド」 5/29 公演のオープニングは日比谷カタンがつとめた。
最近、カタンは日本語の発音が極めて明瞭になってきて、歌詞が以前に比べると非常によく聴き取れる。或いは、これは彼の楽曲にこちらの耳が慣れたせいかとも思ったが、そうではない。歌詞がよくわかると、曲全体の趣も深みを増す。 和風着物的出で立ちに、女装メークとゲイ風言葉を散りばめた、29日のカタンはPit Inn 周辺の「新宿三丁目」をトークで取り入れ、会場を沸かせた。複雑怪奇な楽曲と歌詞が、この意識的・無意識的演出方法と出会って融和し、或いはギャップを際立たせることにより、カタンの人物像が見えてくると思いきや、それは必ず裏切られる。あらゆる手段と巧みな話術で己を公開しているように見えて、実はすべてを覆い、肝心・核心は決して日の目を見ないのだ。それを知って楽しむファンも当然いるのだが、初めてカタンを見る人には、そこに真面目さと不真面目さが同居しているかしていないかもわからない。オーディエンスを置き去りにして、ここまで堪能させる芸当は果たして天性のものだろうか。それとも、習得した技術か。
写真:前沢春美
最近、カタンは日本語の発音が極めて明瞭になってきて、歌詞が以前に比べると非常によく聴き取れる。或いは、これは彼の楽曲にこちらの耳が慣れたせいかとも思ったが、そうではない。歌詞がよくわかると、曲全体の趣も深みを増す。
写真:前沢春美
by invs
| 2008-06-05 22:44
| 日比谷カタン