昨夜、Mimmit の2015 Japan Tour 初日公演が行われた。会場は柏にある Nardis だった。
セットは休憩を挟んで一部・二部に分かれていたが、最初から最後まで数多くの曲が演奏された。リーダーの Pauliina Lerche のソロ・アルバムの曲、カレリア地方の伝統曲を Pauliina がアレンジした曲、そして三越伊勢丹グループのクリスマス・キャンペーン・ソングに選ばれた "Letkis" など、どれも聴きほれる曲ばかりだった。何と言っても、伝統曲の強さがある。それを巧みにアレンジして現代性を持たせる Pauliina の作曲能力がある。そしてバンド全体による歌と楽器のバランスが素晴らしい。
カレリア地方伝統のダンス曲がいい。軽快で、楽しく、心地よい。本当に踊りたくなる(Mimmit 姉妹はヘッドセット・マイクを付けて踊りながら歌う)音楽だ。Pauliina のボタン・アコーデオンやHannamari のフィドル的なヴァイオリンがメイン・メロディーを、Tuomas のギター、Antti のベース、Jukka のパーカッションがとてもタイトにバックアップする。特に速いパッセージは爽快感が強い。いわゆるワールド・ミュージック系のバンドの一体感としては明らかに 特 A 級だ。練習の積み重ねの結果という以上のものを感じるのは、Pauliina、Hannamari、Tuomas と Antti は同じ地方出身で、 Jukka は出身地は違うが現在その地方に住んでいるからか。
Mimmit の写真だけを見るとカワイイ、ちょっと子供向けのような印象を持たれるかも知れないが、実際は作曲・アレンジ・演奏・歌どれをとっても実力十二分だ。Mimmit (フィンランド語で「女の子」)という名前や、ヴィジュアルに騙されないようにしないといけない。名前や格好がやっていることと違うというのは、ヨーロッパのスーパーバンドに時々あることだ。ノルウェーの Farmers Market や Splashgirl など既存の音楽ジャンル分けや、先入観を打ち破るために意識的になされているものもあれば、Moskus (ジャコウウシ)とかHuntsville (アメリカに同名の都市がある)など実際の音楽内容と連動しようもない名前もある。スイスの Ronin (日本の浪人から)はまだわかりやすい方だ。浪人に関する哲学的考察をベースに付けられている。
いずれにせよ、あまり先入観を持たずに聴いていただきたい。そうすれば、真の音楽が近づいてくる。
Mimmit は明日、神田岩本町の Tokyo TUC でライヴだ。大勢の方のお越しをお待ちしている。
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