スイスの Aba Trio (アバ・トリオ)、今夜は上越の春日山で公演となる。会場はラ・ソネ菓寮だ。バンドは 16:00 にホテルを出発し、到着後、これまでにように入念なサウンドチェックを行う。開演は 19:30 だ。
昨晩の公演はツアー中ベストと言えるパーフォーマンスだった。インプロを含めた楽器間のインターアクション、緩急自在のダイナミズム、そしてソロ、どれをとっても申し分ない。Andreas が後で語っていたが、オーディエンスの集中度が高く、バンドもそれにつられていい演奏になった。アンコール曲の最後に世界初演の曲「短調のワルツ」が演奏され、バンドの感謝の気持ちが表された。この曲は Björn Meyer が作曲している。
Andreas によればスイスには 15 種類ぐらいの Jützli(ユッツリ)があるという。それはスイス・ドイツ語で、歌詞を伴わない自然ヨーデル(Naturjodel)の一種を指す。もとを牛飼いが牛を追う時に発する声に由来する。
名称 地域 特徴
●Jüüzli(Jützli)ムオータ谷(シュヴィーツ州)2~3 声で歌われる自然ヨーデル。最も古風な様式の一つ。
●Zäuerli アッペンツェル ゆっくりと流れる旋律で、自由なリズム。即興性が高い。
●Ruggusserli アッペンツェル Zäuerli よりも細かい装飾や跳躍が多い。多声で歌われることが多い。
●Juiz エンゲルベルク周辺 Jüüzli に近いが旋律がより簡潔。
●Jutz ベルン・オーバーラント 山での呼び声から発達した単純な旋律。
●Naturjutz 中央スイス 歌詞なしの自然ヨーデルの総称。
●Alpjutz 各地 アルプ(高山牧場)で歌われる呼び歌。
●Bärgjützli(Bärgjützli) ベルン地方 「山の Jüüzli」の意味。素朴な旋律。
●Muotataler Jüüzli ムオータ谷 特に有名な Jüüzli の地域様式。
●Entlebucher Jutz エントレブーフ リズムが比較的明確。
●Obwaldner Jutz オプヴァルデン 中央スイス独特の節回し。
●Nidwaldner Jutz ニトヴァルデン オプヴァルデンと近縁。
●Urner Jutz ウーリ アルプホルンの自然倍音を生かした旋律。
●Haslijutz ハスリ谷 ベルナー・オーバーラント地方の様式。
●Walliser Naturjodel ヴァレー州 高音域を多用する地域的特徴がある。
Andreas はこのうち最初の三つ、Jüüzli(Jützli)、Zäuerli、Ruggusserli を紹介していた。
最初の頃、Andreas が古い民謡を集めだした頃に比べて、今は彼が集めているということを知って、逆に民謡を彼に教えてくれるようになったそうだ。古い録音は 1910 年代のものからある。
彼がヴィデオを見せてくれたが、2~3 声で歌われる自然ヨーデルはかなり古風で、牧歌的というのを通り越しているように聴こえた。Andreas がステージで言っいたように「私たちにとってはむしろ現代的」に聴こえる。