ノルウェ―の有名サックス・プレイヤーで野生の山羊の角笛を吹くことで知られた Karl Seglem(カール・セグレム) が 11 月にドイツ・ツアーを行う。

11/20 KFZ 文化センター, Marburg(マールブルグ)
11/21 Kultur im Esel (エーゼル文化協会), Einbeck(アインベック)
11/22 b flat, Berlin(ベルリン)
11/23 b flat, Berlin(ベルリン)

ベルリン b flat 出演者
Karl Seglem, ten.sax, goat horns, voice
Erlend Viken, fiddles, voice
Hallvard Gaardløs, bass, voice
Kåre Opheim, drums, percussion
Ingar Hunskaar, sound
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彼は 2017 年に Karl Seglem Acoustic Quartet (カール・セグレム アコーステイック・カルテット)として Real & True Live Series に出演している。Karl は先週まで日本に居て公演をしていた Terje Isungset (テリエ・イースングセット)の古い仲間でもある。また、レコードレーベル NORCD の主宰者として幾多のアーティストを世に送り出している。 2023 年に数回目の来日を果たした Picidae (ピッキデー)もその一つだ。
11/21 はドイツ、ハノーファーの南 Einbeck(アインベック)郊外の Sülbeck (ジュールベック)の Kultur im Esel (エーゼル文化協会)で公演を行う。
エーゼル文化協会の説明文が Karl をよく解説しているので、訳を載せておく。
カール・セグレムは、ノルウェーを代表する最も刺激的な現代テナーサクソフォン奏者兼作曲家のひとりと評されている。ノルウェーという国は、各地の伝統音楽をもとにしながら、それを現代的な表現、ワールドミュージック、そして即興ジャズと融合させようとする、独自の個性をもつ音楽家たちを数多く生み出してきた。その中でもカール・セグレムは、ノルウェー音楽界における最大の革新者であり、ビジョナリー(先見的な芸術家)のひとりであることは間違いない。彼は、伝統的なノルウェー音楽とジャズの双方を、新しい表現の融合、クロスオーバーの試み、新たな楽器・サウンド・視点の開拓という、揺るぎない意志をもって活性化させている。
セグレムの主な楽器はテナーサクソフォンであり、ノルウェーのジャズシーンにおいて重要な役割を果たしてきた。彼のディスコグラフィーには、19 枚を超えるソロアルバムのほか、さまざまなアンサンブルとの共演作品も含まれている。キャリアの初期から、彼は多様でジャンルを超えた音楽のあり方に関心を寄せており、とりわけノルウェーのフォーク音楽に深く取り組み、それを即興演奏や作曲の基盤として探究してきた。というのも、カール・セグレムは単なる演奏家にとどまらず、作曲家としても広範かつ多面的な活動を行ってきたからである。彼はジャズ、民俗音楽、そして折衷的なインスピレーションをもとに、新しい現代音楽の形を生み出し、またプロデューサーやレーベル(NORCD)の運営者として、クロスオーバー音楽の発展にも大きく寄与してきた。
彼の国際的な評価は着実に高まり続けており、特にアルバム "Ossicles"、"Som spor"、"JazzBukkBox"、"Nordic Balm" などは、批評家と聴衆の双方を魅了してきた。これらの作品では、山羊の角笛(ゴートホーン)や伝統楽器――とりわけハルダンゲル・フィドル――が、電子ループ、ジャズの即興、ワールドミュージック的要素、ロック的な性質などのモダンで折衷的な要素と巧みに、そして刺激的に融合している。
セグレムはしばしば、自身の音楽の「アコースティックな核心」という概念に立ち返る。それは、大地に根ざし、時を超えた導きのモチーフでもある。電子的な要素やテクノロジーによる音響、さらにはジャンル固有の特徴が共存し、相互に作用し合うことで、彼の音楽には独特のダイナミズムが生まれている。
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