2013年 02月 18日
Nik Baertsch + Sha - duo 公演 感想 |
遅くなったが昨年12月に開催されたNik Baertsch + Sha の公演について感想を書いておく。
公演は12/22 が渋谷の「公園通りクラシックス」、12/23 が代官山の「晴れたら空に豆まいて」で開催された。12/22 がPA を使わない完全アコースティック、12/23 が PA 使用という二つの異なる音環境でのライヴだった。
共通していたのは、「素を見せる」ということだ。彼らの母体となっている Ronin というバンドが全体のアンサンブル構成を見せるものとすれば、デュオはそのエッセンスをはっきりと示している。
凝りをほぐすと言うのだろうか。リスナー側の固定概念をいい意味で崩していく。徹底した練習による自律的な演奏はまさに音の「波」をディシプリンという形で提示する。それは表現としては極めてパーカッシヴなピアノであり、タンギングを活用したバスクラリネットの在り方となる。キレがよく、緊張感に満ちているが、粗雑さは微塵もない。一見繰り返されるフレーズやミニマリスティックなアプローチは、単純ではない。あたかも仏教の無常の如く、微妙な襞をここかしこに見せながら続いていく姿は、当然「自然」に帰結する。奇をてらわず、かといって一切の倦怠とは無縁だ。こういう音楽が現れてきたことに驚かざるを得ない。
デュオという小さなバンド形態にもかかわらず、音楽の幅は広い。繰り返し(厳密には繰り返しではなく、そのように見えるだけだ)の妙によりヒプノティックな効果が発揮されている。Nikのプリペアード・ピアノも頻繁にミュートのポイントが変わり、かつ合間には自らドラムスティックを使っての「ピアノ叩き」があって、まったく飽きさせない。Sha の微動だにもしない演奏スタイルが堅固なストラクチャーを想像させるが、全体としては命ある有機体、一個の生命の息吹を感じる。
何とも、一瞬たりとも目の離せないデュオであった。
公演は12/22 が渋谷の「公園通りクラシックス」、12/23 が代官山の「晴れたら空に豆まいて」で開催された。12/22 がPA を使わない完全アコースティック、12/23 が PA 使用という二つの異なる音環境でのライヴだった。
共通していたのは、「素を見せる」ということだ。彼らの母体となっている Ronin というバンドが全体のアンサンブル構成を見せるものとすれば、デュオはそのエッセンスをはっきりと示している。
凝りをほぐすと言うのだろうか。リスナー側の固定概念をいい意味で崩していく。徹底した練習による自律的な演奏はまさに音の「波」をディシプリンという形で提示する。それは表現としては極めてパーカッシヴなピアノであり、タンギングを活用したバスクラリネットの在り方となる。キレがよく、緊張感に満ちているが、粗雑さは微塵もない。一見繰り返されるフレーズやミニマリスティックなアプローチは、単純ではない。あたかも仏教の無常の如く、微妙な襞をここかしこに見せながら続いていく姿は、当然「自然」に帰結する。奇をてらわず、かといって一切の倦怠とは無縁だ。こういう音楽が現れてきたことに驚かざるを得ない。
デュオという小さなバンド形態にもかかわらず、音楽の幅は広い。繰り返し(厳密には繰り返しではなく、そのように見えるだけだ)の妙によりヒプノティックな効果が発揮されている。Nikのプリペアード・ピアノも頻繁にミュートのポイントが変わり、かつ合間には自らドラムスティックを使っての「ピアノ叩き」があって、まったく飽きさせない。Sha の微動だにもしない演奏スタイルが堅固なストラクチャーを想像させるが、全体としては命ある有機体、一個の生命の息吹を感じる。
何とも、一瞬たりとも目の離せないデュオであった。
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by invs
| 2013-02-18 20:52
| Nik Baertsch's Ronin
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